日本ハムがソフトバンク20回戦(ヤフオクドーム)で3-6で完敗し、自力優勝の可能性が消滅した。

首位との直接対決第3戦は初回から投打で圧倒され、覇権を争うライバルに2年ぶりのカード負け越しも決まった。今季2度目の6連敗で4位転落。チーム状況はどん底だが、ペナントレースは36試合を残す。首位とは6・5差。可能性がある限り、下を向いてはいられない。

   ◇   ◇   ◇

最終9回に追い上げも、時すでに遅かった。3連勝だけを期して臨んだ3連戦は3連敗。ソフトバンク戦は2年ぶりの負け越しも決まり、今季107試合目で自力優勝の可能性まで消滅。敗戦を見届けた栗山監督は、最後は一息つき、現実を受け止め、ベンチ裏へ消えた。試合後は「全然関係ない。こっちが連勝すれば(自力優勝の可能性は)復活するわけだから」と早口でまくしたてた。

初回の攻防が、全てだった。1回表の攻撃は、ソフトバンク和田の気迫に圧倒された。ストライクの直球3球に手が出ず、見逃し三振に終わった西川は「(和田の)フォームにタイミングが合わなかった」と振り返った。続く大田、近藤も空振り三振。歴戦の左腕に牛耳られると、その裏には内川に先制打を許し、デスパイネに2ランを献上。勝負どころを知る、常勝軍団の集中力で、あっという間に主導権を奪われた。

打線は最後まで、かみ合わなかった。渡辺が2安打を放つも、ともに走者なしの2回と8回。5回までに1安打ずつの大田と近藤は、7回1死二、三塁の場面で甲斐野に連続三振を奪われた。打者有利と言われる夏場ながら8月10試合のチーム打率は2割6厘で1試合平均は2・1得点。他5球団は4得点以上を奪っている。打線の状態を浮上させることが急務だ。

7月31日の時点で0・5差だった首位との差は、たった12日間で6・5差に広げられた。栗山監督は「(今カードは)全て勝ちにいって、勝ちきれない。全てのみ込んで、やっていくしかない」と前を向いた。振り返っても、悔やんでも、取りこぼした星はかえってこない。野球に熱くなると、甲子園取材時を思い出して関西弁となる指揮官は「何とかするよ。ここからや」。最後まであきらめないのが日本ハム。高い壁の方が、乗り越えがいがある。【木下大輔】