ヤクルトの開幕投手争いは、ひとまず“引き分け”となった。候補に挙がる石川雅規投手(40)と小川泰弘投手(29)がそろってオープン戦阪神戦に初登板し、ともに3回無失点と上々の仕上がりを見せた。

シーズンの開幕戦(神宮)と同カードで、緊迫感は高まった。先発した石川は1、2回ともに四球を与えたが、どちらも併殺打でしのぎ「前回(18日・練習試合DeNA戦)よりも高さ、コースはよかった」。まだ本来の制球ではなかったものの、持ち味の打たせて取る投球を見せた。9度目の開幕投手を目指すベテラン左腕は「めちゃめちゃ意識している。ライアン(小川)も意識していると思うので、いい相乗効果になれば」と話した。

昨年の開幕投手の小川は、テンポを意識した投球で、自分のリズムを作った。3回無安打の2奪三振。わずか31球で予定通りマウンドを降りた。実戦を重ねるごとに球速も増しており、この日は最速144キロ。「まだ競い合っているので、しっかり自分の投球をして0を重ねていきたい」と意気込んでいた。高津監督は「高いレベルで競争してくれることは、チームにとってプラス。投手陣を引っ張っていっていかないといけない2人なので」と切磋琢磨(せっさたくま)する2人を歓迎。大役を任せる1人を、じっくり見極める。【保坂恭子】