初の開幕スタメンへ向けて視界“諒”好だ。日本ハム渡辺諒内野手(24)が、攻守で存在感を発揮した。

24日、DeNAとのオープン戦(タピックスタジアム名護)で、DeNA先発今永から初回に中前打、4回には左中間を破る三塁打をマーク。ともに直球を捉えた打撃内容に「これまでの実戦で真っすぐに対して振り負けたり、ファウルが多かったので、今永さんから、しっかり真っすぐを打てたのは良かった」と手応えをつかんだ。

打順は昨季1度しかなかった2番だった。定着できれば、得点力アップの可能性を秘める。強打の2番として鳴らす大田のように、昨季は11本塁打と長打力があり、右打ちやバントなどの小技も2軍時代から多く経験。何でも出来る渡辺が2番に入れば、大田が中軸に回ることが可能になる。栗山監督も「(渡辺が)いろんな打順を打てれば、さらに打線の幅が広がる」と、上位打線での持ち味発揮を期待するほど打撃はレベルアップ中だ。

二塁守備でも安定感と成長が垣間見えた。9回先頭打者に四球を与えた吉田輝に、すかさず駆け寄り、声をかけた。内容については「言えないです(笑い)。あいつと僕の秘密なので。『ちゃんと呼吸せえよ』とは言いました」と笑ったが、次打者でヒットエンドランを仕掛けられながら、間一髪のタイミングで二ゴロ併殺打を完成させ、1回無失点という結果をプレゼント。「今までは(声掛けを)タクさん(中島)に任せきりだったので」と主力の自覚も芽生えた。昨季は開幕前の故障で出遅れたが、肉体を追い込んだ今キャンプはアクシデントもなし。さらなる飛躍へ、準備は快調だ。【木下大輔】

◆日本ハム渡辺プロ成績 6年目の昨季132試合に出場し、481打数126安打11本塁打58打点で打率2割6分2厘と、いずれもキャリアハイの数字を残した。通算では出場226試合173安打19本塁打75打点、打率2割5分、長打率3割8分4厘、出塁率3割1分7厘。