ソフトバンク担当記者による随時連載企画「期待しタカ」。第3回は周東佑京内野手。昨年は接戦に弱かった楽天戦の攻略へ今年のテーマ「走塁改革」で打破なるか。
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王者ソフトバンクにも“天敵”がいた。昨季、楽天に対戦成績13勝12敗と苦しめられた。1点差ゲーム10試合は5勝5敗。パの他球団と比較すると、1点差ゲームの勝率はワーストだ。2点差負けも3試合で、12敗中8敗が2点差以内。接戦は分が悪かった。
いかに1点を取るか。この課題には今年のテーマの「走塁改革」を生かすしかない。侍ジャパンで活躍した周東に、期待したい。
試合後半の得点の少なさが苦戦につながる。中継ぎ陣に抑え込まれている。
◆楽天中継ぎ陣とソフトバンク打線 1点差で敗れた5試合で終盤7回以降に得点したのは2度。8回に1点差に追いつく2点と、7回に同点に追いつく1点。勝利につながる決定的な得点がない。主な中継ぎとの対戦成績を見ると、松井と森原を打てていない。
楽天投手 対戦打率
松井 1割4分3厘
森原 1割8分8厘
ブセニッツ2割1分4厘
宋家豪 2割6分5厘
青山 2割9分6厘
高梨 3割
松井は今季から先発に回る予定で、森原が新守護神となる可能性は高い。ここを打ち崩さないと、今年も苦戦することになる。
昨年は楽天を率いた平石洋介打撃兼野手総合コーチ(39)が、ナインの走塁への意識を高めてきた。周東は今季、打撃にも磨きをかけている。森原から昨年はチームで盗塁を1つも決められなかったが、対戦のなかった周東にはチャンスがある。「ここぞの代走」で実績もある。周東だけでなく、走塁を生かした終盤の攻撃で、今年は楽天から数多くの1点差勝利を挙げる。【ソフトバンク担当・浦田由紀夫】