「父の日」の1発を兵庫・西宮市の自宅で見届けた佐藤輝明内野手(22)の父博信さん(54)は、この日も愛用のビールタンブラーでその本塁打をさかなにビールを飲んだ。

「今日もビールがうまいですね。でも、負けてしまったので、そこはおいしさ半減ですけど」。銀色のタンブラーは保冷効果抜群で、毎晩のようにビールや酎ハイを楽しんでいる。

このタンブラーは今から5年前の16年。佐藤輝が仁川学院高校3年の時の「父の日」に、次男、三男と一緒に買ってきてプレゼントしてくれたもので、ずっと愛用している。小さいころから佐藤輝にずっと近くで、アドバイスを送ってきた。寮生活となった近大でも試合での動画を送ってアドバイス。今も会えば野球談議に花が咲く。「父の日ではないんですが、小学2年の3月に描いてくれたんですよ」と似顔絵を今も大事にしている。

試合後の「一番応援してくれて、一番身近で支えてくれている」というコメントを聞き、「涙ですね」と喜んだ。54歳の誕生日だった4月25日はDeNA戦(甲子園)で6号2ランを放った。22日は母晶子さん(48)の誕生日。博信さんは「ぜひ、打ってほしいですね」と父に続く母へのバースデーアーチを願った。【石橋隆雄】