最高のバースデー・プレゼントだ。

阪神のドラフト6位中野拓夢内野手(25)が、球宴ファン投票のセ・リーグの遊撃手部門で29万3009票を獲得して選出された。

阪神からは両リーグ最多7人が選出された。03年の9人以来となる球宴ジャックだ。ドラフト1佐藤輝とともに、球団の新人2選手がファン投票で選出されるのは72年の中村勝広(二塁)、望月充(外野手)以来、49年ぶりの快挙だった。

この日25歳の誕生日を迎えた中野に、これ以上ない朗報が届いた。ファン投票による球宴選出。しかも、常連の巨人坂本を上回る得票数だ。「一番、今まででうれしい誕生日プレゼントだと思うので、しっかり喜びたいと思います」と、かみしめるように話した。「正直言うと、信じられないなというのが感想です」と話すが、実力で夢舞台の出場切符をつかんだ。ドラフト下位指名からキャンプ、オープン戦でアピール。開幕後は木浪、北條らライバルに競り勝ち、遊撃のレギュラーを奪った。今や首位を走るチームに欠かせない戦力だ。

山形県出身で、東北福祉大で学生時代を送った。球宴第2戦は大学時代の思い出が詰まった仙台で行われる。両親も招待し、晴れ姿を見てもらうつもりだ。「両親の前でしっかりいいプレーをしたいと思います」と気合も入る。

対戦したい投手には西武平良を挙げた。各球団のスター選手にも積極的に話しかけていくつもりだ。目指すのは19年にサイクルヒットを達成した先輩・近本のような活躍。「自分も目指していけたらいいなと思います」。一緒に出場する佐藤輝にも「負けないように、何かしらの爪痕を残せればなと思います」。その名の通り、球宴でさらなる夢を拓く。【高垣誠】

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