日刊カメラマンがお届けする秘蔵写真企画「袋とじ」。会員登録(無料)で見られます。ぜひ、封を開いてご覧ください。〈文と撮影 菅敏〉

   
   

2011年10月3日 術後4カ月 緊張の第1球

2011年10月3日、フロリダ州フォートマイヤーズのレッドソックスマイナー施設にて、不安そうな表情でボールを見つめる松坂大輔。右肘手術後、4カ月ぶりにボールを投じようとする瞬間に立ち会いました。傷あとが痛々しい右腕。ゆっくり1球目を投げた後、ホッとした笑顔を見せたのをはっきり覚えています。良い感触だったんだ! とこちらまでホッとしました。

照れる怪物 フロリダ青空の下でプール撮影

インタビュー後、「どこで撮りますか?」と聞かれ目に留まったのは、青空とヤシの木がまさにフロリダ感満載のプール。恥ずかしそうにしながらもプールサイドに座り、思いっきり水を蹴り上げてくれました。 片隅には子供用のおもちゃもあり、「家族もたまに来てくれるんですよ!」と笑顔で話してくれました。リラックスした表情の、素顔の怪物が見られた気がしました。


当時30歳、ここまで日米通算157勝をあげていた右腕。完全復活を目指し、己の身体と闘い続けましたが、残りの10年は同13勝にとどまりました。全盛期を取り戻せぬまま、7月7日に21年限りでの引退を発表。日米プロ23年、お疲れ様でした。