阪神からドラフト4位指名された智弁学園(奈良)の前川右京外野手(18)が18日、奈良・五條市内の同校で指名あいさつを受けた。「あらためてプロ野球選手への第1歩というか、もう1回、新たなステージで野球をやらせていただけるので、そこで活躍できるように頑張りたいと思います」と冷静に、実感を込めて語った。阪神からは畑山統括スカウト、山本担当スカウトが訪問した。

同じく阪神から1位指名された高知・森木とはドラフト直後に連絡を取り合い「『おめでとう』と言い合って、1年目からしっかり頑張っていこうと言い合いました」と明かした。「ここから仲間でありライバルなので、しっかり頑張って、お互い活躍して上のレベルに行けるようにしっかり頑張りたいです」と早くも“共闘”宣言が飛び出した。

高校通算37本塁打をかっ飛ばした金属バットから、プロでは木製バットへ対応するため準備に抜かりはない。現在打撃練習で使用するのは、智弁学園OBの巨人岡本モデルと阪神OB金本氏のモデルのもの。理想は2人のモデルの「間くらいの太さ」のものという。 「グリップを握る感覚とかヘッドの太さとか、そういうところを試行錯誤というかしながらです」。岡本バットと金本バットの「いいとこ取り」で、今後も自分に合ったものを探していく。

金本氏は今春センバツ前にテレビ企画で同校グラウンドを訪問。「腰の回転を使えばボールは飛ぶ」という言葉を聞き、「今でも意識して練習していて、バットのヘッドが走るようになりました」とうなずく。連続試合フルイニング出場の世界記録を持つ同氏のように「体作りも大事にして、長く活躍したいです」と力を込めた。

「三重県から智弁学園に入学して関西圏で野球をやらせてもらって。もう1回関西の阪神タイガースさんで野球ができるという喜びを感じて、1日1日を無駄にせずに、しっかりと頑張っていきたいです」

夢はアニキのように強くでっかく-。入寮までの3カ月、前川がさらにたくましくなる。【中野椋】