「菅野塾」から再出発! 阪神藤浪晋太郎投手(27)が今オフ初めて巨人菅野智之投手(32)主催の合同自主トレに参加することが16日、分かった。契約更改後の会見で菅野が明かした。後輩が「入塾」を志願し、先輩が快諾した形。年明けから1週間程度、沖縄・伊良部島でトレーニングを共にする。先発ローテ返り咲きへ、宿敵の大エースから全てを学ぶ。

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「入塾」の経緯からも、藤浪の並々ならぬ覚悟が感じ取れる。「突然、連絡が来て」。巨人菅野はこの日の契約更改後、球界の後輩からの熱烈オファーを明かした。

菅野 「お願いします」と言われたので、いろいろ話をして、一緒に頑張ろうか、と。

先輩の快諾を受け、ライバル球団同士という分厚い垣根を飛び越えた新タッグ結成が実現する。

5歳上の菅野とは高卒、大卒の違いはあれど、12年ドラフト1位の同期入団。17年WBCでは侍ジャパンでチームメートにもなり、以前から親交があった。

「球界を代表する投手」と尊敬し、かつては宝刀スライダーの投げ方、握りを教わったことも。「結局、僕には投げられなかったんですけど…」。今では少なくなった先発完投型の理想像として、もう何年も背中を追いかける存在だった。

藤浪は今季、プロ9年目で初めて開幕投手に抜てきされながら3勝どまり。先発、中継ぎともにチャンスを生かし切れず、48回1/3で44四死球、防御率5・21と苦しんだ。背水のプロ10年目へ、課題の制球力を向上させる上でも、菅野はこれ以上ない手本と言える。

若かりし頃からダルビッシュ(現パドレス)や前田(現ツインズ)らの「門」をたたき、貪欲に引き出しを増やしてきた。今オフは宿敵の大エースから再起のきっかけをつかみ取りたいところだ。

舞台は沖縄・宮古島の北西約5キロに位置する伊良部島。島民約5000人の離島は野球漬け生活には申し分ない。菅野は一足早く、今月20日から巨人後輩の中川、鍬原と合同トレをスタートさせる予定。藤浪は年明けから合流し、1週間ほど共に汗を流す。

菅野によれば、同島では素足での砂浜ダッシュが日課となるという。「今の先発メンバーを差し置いてでも藤浪を使いたい、と思えるぐらいのモノを見せられるようにしたい」と決意表明していた大器。南国で足先や指先の感覚を研ぎ澄ませ、勝負の2月キャンプに突入する。【佐井陽介】

【阪神藤浪の主な自主トレアラカルト】

◆チーム・マエケン(15年1月) 広島前田健が率いる自主トレに参加。大瀬良、中崎ら広島勢とともに東京都内のジムで約10日間のトレーニングを実施した。マエケンからは調整法などのアドバイスも受けた。

◆ダルビッシュ塾(16年12月) 東京都内のジムで約1カ月間にわたってダルビッシュ(当時レンジャース)、田中(当時ヤンキース)らと合同トレを実施。体重も6キロ増の自己最高の97キロに。

◆武豊塾(18年12月) 親交のあるJRA騎手・武豊が総合プロデュースする「テイクフィジカルコンディショニングジム」でトレーニング。著名な理学療法士からも指導を受ける。

◆初海外トレ(18年1月) 米国テキサス州に拠点を移し、ダルビッシュやメジャー最強左腕、ドジャース・カーショーらと合同トレに励んだ。代名詞のカーブを伝授された。

◆ドライブライン(19年12月) 沖縄で行われた5日間の「ドライブライン・ベースボール」セミナーに中日藤嶋らと参加。米国から来日した専門家によって動作解析などに取り組んだ。

◆イチロートレ(21年1月) 初めて初動負荷トレーニングの研究施設「ワールドウィング」の門をたたく。イチロー氏ら超一流選手たちが長年通い続けた鳥取市内の施設に足を運んだ。