日本ハムドラフト6位長谷川威展(たけひろ)投手(22=金沢学院大)が、BIGBOSSとの“対戦”に臨んだ。3日、2軍キャンプ地の沖縄・国頭で2度目のブルペン入り。新庄剛志監督(50)が打席付近に立つと、自慢のスライダーなど8球を投じた。自身の心の中での対戦結果は、四球。それでも一流のオーラに触れ、充実の第1クールを終えた。

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大雨が降り注ぐブルペンで、圧倒的な存在を視界に捉えた。長谷川威は、近づいてくるBIGBOSSの目を引こうと、最大の武器スライダーを意識的に投げ続けた。アピール成功。新庄監督が、右打席付近の角に立った。「打ちにきていると思い込んで、真っ向勝負でいきました」。1球目、力いっぱい直球を投じた。

“対新庄”の意識を持って、計8球を投げ込んだ。監督から「スライダー!」と注文されると、自信の3球を投げ込んだ。しかし、一流のオーラに力みが生じた。ボール球は易々と見極められていると実感。「広角打者のイメージ。三振が取れるイメージが湧かなかった。対戦結果は四球ですね」と苦笑いだった。

監督の言葉を胸に、実戦さながらのブルペンを踏んだ。キャンプ初日の初ブルペン。「ここはペイペイドームだと思え」と声を掛けられた。開幕戦の相手ソフトバンクの本拠地をイメージするアドバイスだった。「打者が立っていると思い込んで、失投したら次はちゃんとコースを投げ分ける。1球1球の意識が変わった」。この日も柳田を想定して投げるなど、気持ちを高めながら練習に励んだ。

5日からの第2クールでは、さらにスライダーに磨きを掛ける。「振っても当たらない、打てたとしてもヒットにならないようなスライダーを追求していきます」。BIGBOSSとの仮想対決を経て、心身でモチベーションはアップ。飛躍への階段を駆け上がっていく。【田中彩友美】