日本ハムが昨年11月、FA権を有する西川遥輝外野手(29=楽天)、大田泰示外野手(31=DeNA)、秋吉亮投手(32=日本海オセアンリーグ・福井)の3選手を「ノンテンダー」として自由契約とした事案について、日本プロ野球選手会が7日、日本ハム球団に抗議文を提出した。内容は「単に選手の価値を一方的に下げるものです。このような行為をノンテンダーなどと称し、選手やファン、社会一般に誤解を与えることがないよう、厳重に抗議しました」と、球団の対応を強く非難するものだった。

日本球界では聞き慣れない「ノンテンダー(non-tender=申請なし)」は、MLBが導入した契約制度。厳密には、メジャー登録日数を満たした正FA選手とは区別される。

大リーグの「ノンテンダーFA」とは?

大リーグはメジャー40人枠の選手に対し、オフに契約意思の可否を示す期限を設けている。メジャー登録3年未満の選手は球団側に年俸決定の権限があり、その大半が最低年俸程度から微増で更改。対応に苦慮するのが、同登録3年以上~6年未満の年俸調停権を有する選手。基本的に大幅アップするケースが多く、またダウンの場合でも労使協定により20%カットまでしか認められない。よって不振やケガ等で予想年俸に見合わないと判断されると、契約を申請されず、ノンテンダーになる。

正式導入年は不明だが、2008年頃から「ノンテンダー」の名称で定着し始める。同年はドジャース斎藤隆投手(現DeNA投手コーチ)がノンテンダーFAになり、レッドソックスに移籍。2010年オフにはレッドソックス岡島秀樹投手がノンテンダーになったが、100万ドル(約1億1000万円)ダウンでレ軍に残留した。最近は年50人前後がノンテンダーになっている。

大リーグは基本、最初はメジャー登録年数6年でFA権を取得。同取得後、契約期間が終われば、自動的にFAになるシステムとなっている。毎年200人以上がFAになって移籍市場に出ている。