新潟医療福祉大の卒業式が17日、新潟市の朱鷺メッセで行われた。プロスポーツの世界に入ったプロ野球ソフトバンク育成ドラフト13位の佐藤琢磨投手(22)、J2新潟のMFシマブク・カズヨシ(22)が出席。WEリーグちふれ埼玉のMF唐橋万結(22)DF塚本奈緒(22)も参加した。欠席した阪神ドラフト3位の桐敷拓馬投手(22)を含め、学長賞を受賞した。

佐藤の表情に甘さは消えていた。卒業式を区切りに「学生」の肩書が取れる。「2カ月(ソフトバンクの)練習に参加し、学生という気持ちはまだあったが、これからはプロの一員として自覚しながら練習に励みたい」。卒業式を終えると飛行機で福岡にとんぼ返りした。

色紙に「もっと!!もっと!!もっと!!」と記した。球団スローガンだが「もっとは3つじゃ、足りない」と話す。「自分次第。結果を出さないと切られる世界」という環境で、多くの「もっと」を追求していく。キャンプでのランニング、体幹トレなどで土台は出来上がった。20日にはシート打撃の投手を務める予定だ。

阪神3位指名の桐敷とは連絡を取り合っている。「『卒業式に出たい』と残念がっていた」と佐藤は明かす。同じ左腕だけにライバル心も旺盛だ。「桐敷を越えたい」。新潟青陵高3年夏は初戦敗退。大学3年秋が関甲新学生野球デビューで、リーグ戦初勝利は4年春だった。遅咲きは育成13位と「底辺」からプロへの切符をつかんだ。「1日でも早く支配下登録になりたい」。卒業式で佐藤はその思いを強くしていた。【涌井幹雄】