日本ハム新庄剛志監督(50)がブレずに目先の1勝より、今後の選手の成長を期待した采配があった。

【ニッカン式スコア】20日の楽天-日本ハム戦詳細スコア

2点差に迫った9回2死三塁。楽天が右腕の西口から守護神松井へスイッチした場面で、「7番DH」でスタメン出場した今川優馬外野手(25)をそのまま打席に送った。

投手交代の前には左打者の清宮幸太郎内野手(22)も代打準備していたが、新庄監督は今川を信じた。ネクストバッターズサークルで気合を高めていた今川に近づいたBIGBOSSは試合後「『結果なんて気にしなくていいよ。この場を楽しんで、行け』みたいなこと言ったと思う。『任した』ってこと、言ったと思う」と明かした。

結果は粘りながらも空振り三振でゲームセット。天を仰ぎ、悔しさをにじませながら今川は一塁側ベンチへ引き揚げた。

新庄監督は「この間の(17日ロッテ戦の)万波君のケースがあったから。全然合ってない三振をしていて、ああいう結果(決勝の先制3号ソロ)が出たから。ああいう若い子には結果を出して自信が出て、自信をつけさせて育てていく。右(投手)だったら清宮君も育てていかないといけないし、(西口続投なら)清宮君だった。(松井に)代わったから(今川)行け、と」。

今川は大きな自信をつけることは出来なかったが、大きな経験と糧を得た。BIGBOSSも「本人が一番悔しいよ。2アウト、2ストライク追い込まれて緊張はすると思う。俺は(そういう場面で)めちゃくちゃ楽しみました。ああいう場面。それになるまで時間かかったけどね。ほぼほぼ結果ね、出ないっていう方に意識がいってしまう中で、難しいの。俺の考えは。説明できない。マジ、1メーター50センチくらい前のワンバン振ってたから。その後、サヨナラホームラン。打ち方は変えずに。(今川は)ちょっと変えたかな、最後。ちょっとボールを見過ぎようと。形を変えずに振っていったら、もしかしたら当たったかもしれない。ピッチャーもいいしね」と、今川の気持ちをおもんぱかりながら、自らの経験も踏まえて今後の大きな成長を願った。