勢い止まらん!! 阪神が10得点の猛攻で首位巨人を逆転で下し、今季初の5連勝を決めた。同点で迎えた7回に押し出し四球で勝ち越すと、中野拓夢内野手(25)がダメ押しの2点適時打を放つなど6点を奪うビッグイニング。今季9勝のうち、宿敵から4勝。3カード連続で勝ち越し、勝率は3割を突破した。開幕からどん底に沈んでいたチームが、軌道に乗ってきた。さあ、5月反攻だ!

   ◇   ◇   ◇

どん底に沈んだ日々がウソのような7回の攻撃だった。連勝街道を走る矢野阪神に、強烈な「追い風」が吹いた。巨人2番手の今村が想定外の乱調。3四球で満塁に。近本が押し出し四球を選び、労せず勝ち越しに成功。大きなチャンスを逃さない。2死満塁で、中野がフルカウントからの8球目、内角144キロ直球を中前にはじき返した。ダメ押しの2点適時打で勝利を決定づけた。

「しっかり低めの変化球を我慢しながら、真っすぐはファウルでいいぐらいの気持ちで待っていた。四球でもなんでもいいので、何とか後ろにつなごうという気持ちがいい結果につながりました」

その後も大山の押し出し四球、糸井の2点適時打を含め、7回に今季1イニング最多となる6得点。逆転勝ちで今季初の5連勝を決めた。

中野の足が快勝を呼んだ。4回無死一、三塁から二盗を決め、相手守備のミスを誘って1点を返した。6回には2死一塁から2個目の盗塁を決め、佐藤輝のタイムリーで同点の本塁を踏んだ。3安打2打点2盗塁の奮闘。6盗塁はセ界トップだ。7回も四球連発の中で、今季四球ゼロの中野は積極的にバットを振った。「どちらかといえば自分はボールを見てというタイプではない」と自己分析。「積極的に打っていって、追い込まれたら何とかするというタイプだと思う。四球の数は気にせずに自分のバッティングをするだけかなと思います」。信念を貫いたことが、結果につながった。

8回には途中出場の山本に移籍初となる2ランが飛び出し、今季2度目の2ケタ得点。3カード連続の勝ち越しで、勝率は3割を突破した。矢野監督は「ヒット、ヒットっていう形ではないが、効果的にいいタイムリーっていうのを、中野、糸井、そしてヤス(山本)の素晴らしいホームランも出ましたし。打線も、本当にいい形になってきたのでね。このまま行きたいですね」と手応えを隠さない。歴史的な開幕ダッシュ失敗で、一時は勝率6分3厘のどん底に沈んだが、宿敵に連勝で対戦成績4勝4敗の五分に持ち込んだ。猛虎は目覚めた。さあ反攻の5月。借金減らしに突き進む。【古財稜明】

▼阪神の5連勝は、昨年10月1日中日戦から同6日DeNA戦での5連勝以来。今季通算9勝20敗1分けで勝率を3割1分とし、初めて3割に乗せた。もっとも30試合消化時点では、91年の2割3分3厘(7勝23敗)に続き球団ワースト2位。

【写真たっぷり詳細ライブ】阪神今季初5連勝 30日の巨人-阪神戦