後半戦1勝目が遠い…。広島が中日17回戦(マツダスタジアム)で1回には秋山翔吾外野手(34)の先制犠飛で22イニングぶりの得点。1点ビハインドの7回には菊池涼の犠飛で追いつき、秋山の適時内野安打で再びリードを奪った。しかし、1点リードの8回に森浦がまさかの3失点。イニング別失点数最多60点の8回が重く、最下位中日に3連敗。4位DeNAにはゲーム差なしに迫られた。

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同点に追いつきなお2死二、三塁の7回。二塁手の前へ高いバウンドが転がった。打った秋山は全力で一塁へ向かう。ふわりと浮いた二塁手三ツ俣のトス送球よりも、秋山の右足がコンマ数秒先着した。内野安打を確信した秋山が両手を広げ、直後に一塁塁審も腕を広げた。魂の全力疾走で適時内野安打をもぎ取り、一時はリードを奪うこの試合2打点目を呼び込んだ。1回無死二、三塁でも先制犠飛を放っていた背番号9。「1、2番が仕掛けてくれて良い形でチャンスをつくってくれる。(走者を)かえせて動かしていく攻撃ができて良かった」と機能した上位打線を誇る。

2点を追う9回2死二、三塁にもその姿勢は変わらなかった。「後ろはサク(坂倉)。僕が無理にということはない」と気負いはなかった。二遊間への打球を遊撃手が回り込んで捕球したが、秋山の足が速かった。「センターに抜けていれば一番良かったが」と悔やむも、遊撃内野安打を全力疾走でつかみ、最低限の仕事は果たした。

7回の秋山の一打で勝ち越したものの、5番手森浦が逆転を許した。8回に先頭内野安打から2死二、三塁のピンチを招き、ビシエドに痛恨の逆転2点適時打を許した。今季イニング別失点数は8回が最多の60点。魔の8回が重くのしかかり、逆転負け。佐々岡監督は「攻めた結果ではある」と決勝打を浴びた森浦をかばった。その上で「勝負させた僕の責任もある」。

後半戦1勝目が遠い。この試合のスタメン捕手は白浜。17年8月4日DeNA戦(横浜)以来の先発起用だった。野村を5回途中2失点とリードしたが、勝利につながらなかった。最下位中日に3タテをくらい、連敗は4に伸びた。4位DeNAとはゲーム差なしとなった。後半戦は3戦未勝利。負の重い数字が広島にのしかかる。【前山慎治】

 

○…野村が“広陵バッテリー”で白星を逃した。今季4試合目の先発。バッテリーを組むのは広陵の4学年先輩で14年6月9日以来となる白浜。1-2の5回1死満塁で降板となり「丁寧にいき過ぎて球数が増えてしまったことは反省点。5回は粘りたかった。リリーフに助けてもらい申し訳ない」。結果的に5回途中2失点で勝ち負けはつかず。長いイニングを投げられず反省を第一に述べた。

○…菊池涼が2度の同点打でチームを勢いづけた。1-2の6回1死では左中間へ4号同点ソロ。2-3とされた7回1死満塁では右犠飛で同点とした。「(本塁打は)良い風が吹いてくれました。(犠飛は)なんとかつなげた。同点に追いつくことができて良かった」。初回無死一塁ではヒットエンドランを成功させ好機を拡大させるなど、終始存在感を放っていた。

▽広島佐々岡監督(4-3の8回に森浦が3失点で逆転負け)「勝負させた僕の責任。(野村の次回登板は)考える」

【ニッカン式スコア】31日の広島-中日戦詳細スコア