広島ドラフト3位の益田武尚投手(24=東京ガス)が、3回完全投球で開幕ローテ入りをアピールした。今年初の本拠地ゲームでプロ初先発を任された。「緊張もありましたけど楽しみな部分もあったので、ちょうどいいあんばいだったのか、投げやすい精神状態でした」。度胸満点。地元ファンの歓声を力に変えた。

1回は12球のうちボール球はわずか2球と制球よく、強気な投球で3者凡退に切った。2回は先頭オスナに2ストライクから黒田球団アドバイザー直伝ツーシームで内角を突いた。「イメージ通り投げられたかな」。バットをへし折り、三ゴロ。3回はボールが先行したが、打たせて取る投球で出塁を許さなかった。

“ゴリラ”マークが施されたグラブが、巧みな投球を支えている。社会人時代から「無駄な力みがなくなる感覚がある」と「ごりら印の野球道具」を愛用。捕球面にウレタンを入れることでアーチ状となり、はめたときのフィット感が増し、余計な力は入らなくなるという。最強の相棒に出会い、左肩が早く開く悪癖が改善された。

プロでは春季キャンプから登板ごとに課題を見つけ、消化しながら段階を上がってきた。この日も「3イニング目に課題が見つかったけど、それは良かったかな」と反省を忘れない。新井監督は「(開幕ローテを)争っている中で、今日は益田がいいものを見せてくれた」と評価。森下が開幕絶望となる中、初先発で結果を残し、開幕ローテ候補に急浮上した。【前原淳】

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