“あの日”以来722日ぶりの復活適時打だった。

巨人立岡宗一郎外野手(34)が気持ちをバットに乗せた。4回無死一、三塁。カウント0-1から西武高橋の外角148キロ直球を逆らわずにはじき返した。左前適時打で追加点をもたらした。「めっちゃうれしかったです。芯で捉えれば間を抜けるなと楽に考えていきました」と実感。22年6月9日西武戦以来のタイムリーだった。

忘れられるはずがない。場所も同じベルーナドーム。7回の中前適時打後の9回1死の守備、右翼から右中間の打球を追って中堅丸と交錯。激痛が走り、立てなかった。そのまま担架で運ばれ左膝前十字靭帯(じんたい)を損傷で手術。バットで勝利に貢献した日であると同時に悲劇の一戦だった。オフに育成契約を結び、ジャイアンツ球場で若手の中に交じってリハビリを重ね、5月21日に支配下登録をつかんで迎えた運命のゲームだった。

試合前。右中間に足を運んだ。あの場所に出向き、頭を下げた。今、戦う場所に戻ってきたことを実感しつつ、もうけがしないことを願った。またも9回1死。今度は中堅から左中間の打球を追った。あの日と同じく、適時打を打った後の最終回の守り。そして同じく外崎の打球だった。「ドキッとはしましたけど、克服するしかないので」。苦い記憶もよぎったが、しっかりグラブに収めた。

自らの手で払拭し「この球場で野球をしないと。なにかいいきっかけになれば。無事にプレーできたのでよかったです」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。チームは3連勝で2位浮上。阿部監督からも「ここぞって時にやってくれる選手だと思っています。とにかく打席をたくさんあげたい。仕事をしっかりしてる分、我慢しますよ」。苦難を乗り越えたベテラン。味のある活躍を続けていく。【上田悠太】

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