巨人大城卓三捕手(31)が、チームのセ・リーグ通算1万試合の節目で、復活の決勝アーチを放った。「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦で、2回に決勝の1号先制3ラン。球団通算1万1000号に王手をかけ、4回にも中前適時打で4打点の活躍を見せた。守っては4月29日ヤクルト戦以来の先発マスク。バッテリーを組んだ井上温大投手(23)は、22年9月23日中日戦(バンテリンドーム)以来622日ぶりの先発勝利をつかみ取った。チームはこれで4カード連続勝ち越しでリーグ首位をキープ。交流戦順位も2位タイにつけた。

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そこだけ白くなっていた。大城卓が指1本分短く持ったバットの真芯でとらえた。2回1死一、二塁、ロッテ西野の初球ボールを見送り、2球目の高め144キロ直球。右翼席へアーチを描く打球を見送った。今季1号にして先制3ラン。「短く振った方がコンパクトに打てる。ファームでやってきたこと。(スタンドに)『入れ』と思いながら走りました」。バットを投げ、ベースを蹴った。

ファームで何度も何度も振ったバットは、芯の部分だけ黒い塗装がはがれている。5月8日に無期限の登録抹消された際、不振脱却だけでなく阿部監督から言われたのは「野球をまた楽しめるようになって戻ってこい」。ファーム生活では残留練習でウィーラー巡回打撃コーチ付きっきりで振り続けた。「初心に戻れたというか、少年のような気持ちで、自分もあらためて(楽しむことが)大事だと思えた」。2軍施設のジャイアンツ球場の日差しは、とにかく強かった。

ファームでの練習後、1軍のナイターを画面越しに見続けた。首位争いを演じるチーム。「こうやってカメラに写っているんだ」。グラウンドだけでなく、ベンチの姿も目についた。「変なことできないなって思いました(笑い)」と、リアルに1軍に戻る自分を重ね合わせ、4月29日以来のスタメンマスクだった。

ダイヤモンドを1周して、ベンチ横からスタンドへジャビット人形の投げたのは、昨年8月27日阪神戦以来。「ちょっとミスしちゃいました。久しぶりすぎて」。フェンスに引っかかってやり直し。壁にぶつかっても、また乗り越えればいい。大城卓が、扇の要に戻ってきた。【栗田成芳】

▽巨人阿部監督(大城卓が1号3ランを含む4打点)「練習もそうだし、野球を楽しそうにやっている。だからこそ、いい結果が出たと思います。(バットを短く持っていた)コンパクトにというね。長く持っていたらライトフライだったかもしれないですしね」

▽巨人丸(2安打で打率3割台に到達。ヤクルト・サンタナを1毛差で上回りリーグトップ)「トップ!? それは知らなかった。気にしてなかったけど(トップと言われて)気にしちゃったよ。でも、まだまだ試合があるから、あんまりそこは考えないでいきます」

▽巨人坂本(1安打で通算安打数が落合博満超えの歴代単独12位となる2372安打に)「これからも1本1本打てるように頑張ります」

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