阪神が2年ぶり7度目のリーグ優勝を決めた。
6日に優勝マジックを「1」とし、一気にゴールテープを切った。90年巨人より1日早い、2リーグ制後最速の優勝決定になった。
開幕から上位を争い、5月17日に首位に返り咲くと、最後まで1度も譲らなかった。交流戦で7連敗と足踏みしたが、6月28日から7月10日まで11連勝で5球団を置き去りにした。7月30日に優勝マジック39が初点灯。勢いを落とすことなく勝ち続け、リーグの貯金を独占(7日現在)。歴史的な圧勝劇で、昨年は最後まで競り合った巨人から覇権を奪い返した。
今季就任した藤川球児監督(45)の下、選手が十分に力を発揮した。23年の優勝メンバーがベースになった。彼らが成熟し、故障なくシーズン通して働いたのが大きかった。
特筆すべきは佐藤輝明内野手(26)の活躍だ。開幕は3番。4月に4番に移り、同月までに9本塁打。状況に応じた打撃で打点を稼ぎ、40本塁打、100打点も射程圏内。5年目でついに大器が花開いた。MVP確実とも言われる主砲が、強さの象徴となった。
3年目の森下翔太外野手(25)も成績を大きく伸ばし、勝利打点リーグトップと勝負強さが目立った。
投手陣は村上頌樹(25)や才木浩人(26)らを中心に豊富にそろった。リリーフ陣では石井大智(28)が連続無失点の日本記録を大きく更新する大活躍。ブルペンは戦いながら厚みを増した。7月上旬からの約1カ月間はチーム防御率が驚異の1点台を記録。この時期にチームも勝ちを重ねて独走態勢を固めた。
守備面も捕手の坂本誠志郎(31)、二塁の中野拓夢(29)、中堅の近本光司(30)とセンターラインが柱となり、三塁の佐藤輝も大きく守備力が改善。投手も含めたディフェンス力が安定した戦いを支えた。
23年と同じく、ほぼ全員がドラフトで入団した生え抜きだ。近本、佐藤輝、森下に大山悠輔内野手(30)とドラフト1位もずらりと顔を並べる。外国人やFA補強に頼らないチーム編成の勝利でもあった。
藤川監督はまだ45歳。20年限りで引退後、コーチ経験もなく重責を担うことになったが、繊細なマネジメントでチームを統率した。阪神の新人監督では初の貯金30を突破。初年度の優勝も初めてだ。
今年は球団創設90周年。OBを球場などに招いたイベントを定期的に行い、ファンも含め、伝統球団の歴史を再認識するシーズンだった。節目の年に、次世代リーダーが最高の結果を導いた。球団にとっても大きな意義のある1年となった。
◆藤川球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年(昭55)7月21日、高知県生まれ。高知商2年夏に甲子園出場。98年ドラフト1位で阪神入団。05年、ウィリアムス、久保田との救援トリオ「JFK」の中核を担いリーグ優勝に貢献。06年途中から抑えを務め、07年の46セーブはセ・リーグ最多タイ。12年オフにFAでカブス移籍。15年にレンジャーズへ移籍し、自由契約となった後は独立リーグ四国IL・高知に加入。16年に阪神復帰。20年限りで引退。NPBでは782試合に登板し、60勝38敗、防御率2・08。通算243セーブは歴代6位。引退後は球団本部付スペシャルアシスタント(SA)を務め、25年から1軍監督。185センチ、90キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸8000万円。



