ソフトバンク宮崎キャンプに異変が起きている。多くのファンが「タカのぬいぐるみ(略称=タカぬい)」を手に抱えている。

グッズだが非売品扱い。1回2000円の「タカのぬいぐるみくじ」の景品なのだ。多い日には1日1000回以上のくじが引かれるという。

仕掛け人はソフトバンクホークス事業統括本部マーケティング本部MD事業部MD企画課の原穂香さん(24)。この「タカぬい」、目つきが悪い。にらんでいるようにも見える。だが、原さんは「やんちゃな感じ。目つきは確かに悪いかもですが、憎めないかわいらしさなので、このままでいこうと思いました」。目を丸くした案などもあった中、大卒2年目の若き担当者は、自分の直感を信じ、突き進んだ。

昨年夏にみずほペイペイドームで「ぬいぐるみくじ」の景品の一部として登場。ほかのぬいぐるみと混合での企画だったが、あまりの人気にキャンプでは「タカのぬいぐるみ」単体のくじとなった。はずれはなく、必ず1個もらえる。16センチの3等、30センチの2等、50センチの特等、さらに大当たりで黄金の50センチがラインナップされている。キャンプから新登場のビジターユニホームバージョンも人気。肌触りのよさも自慢のひとつだ。

キャンプ第2クール終了時点で球団の目標を大きく上回る売り上げに、原さんも「想定外ですね。ここまで人気が跳ねるとは」と驚くばかり。人気にひと役買ったのが昨年5月に巨人から移籍した左の中継ぎ大江竜聖投手(27)。ドームで試合後にくじを購入しゲット。「ぼんじり」「つくね」と名前をつけ自身のインスタグラムで度々登場させ、ハワイ優勝旅行にも同行させた。今キャンプでも伊藤、木村光と3人でランチ休憩中にくじを購入し、さらに2匹追加した。大江は「全部がかわいい」とぞっこん。2等を当てたラッキーな伊藤も「この表情がかわいいんです」と笑う。ほかにもくじを購入する選手も出てきて、選手が直筆サインを入れて景品として寄付する新たな流れも出てきている。

原さんは「今季はシーズン中もタカぬいくじをやります!」とみずほペイペイドームでも「タカぬい」だけのくじをつくることを明かした。「ハリーくんやふうさんみたいに設定があるわけではない。だから、これからも名前はつけないです。大江投手のように、みなさんが好きな名前をつけてかわいがってくれたら」と、これからも球団で固有の名前をつけることはない。

ハリー・ホークやふうさん、豚のバリカタくんのようにマスコットとして存在するわけではない。「ぬい活」ブームの中、人気に火が付いた「タカのぬいぐるみ」。26年シーズンに大ブレークの予感だ。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】