<横浜3-14巨人>◇10日◇横浜
巨人は阿部慎之助捕手(30)が5戦連続となる25号3ラン、26号ソロの活躍などで大勝した。自身2度目の5試合連続弾は、球団では王貞治以来2人目。9日のバックスクリーンへの推定飛距離150メートル弾に続き、5回の26号ソロも右翼場外に消える連夜の150メートル弾。チームリーダーがセ・リーグ3連覇へ、驚異的な飛距離でホームランを量産。優勝マジックナンバーは1つ減らし13とした。
5試合連続で阿部が描いたアーチの放物線は、この夜の2本が最も美しかった。3回1死の第2打席。横浜藤江の外角フォークをフルスイングした。一直線でバックスクリーンに届いた25号3ラン。リードを7点に広げ試合を決めた。「次から丁寧にいきます」。謙虚な言葉と裏腹に、5回の26号ソロはまたも一直線に、右翼場外へと消えた。
超アッパースイングで、1本目より強烈にしばいた。「バットの真芯でなく“ど芯”を食った」。右翼席最上段で、年間70試合観戦する横浜ファンが「グングン伸びて、打った瞬間場外。今まで見た中で最高のホームラン」と証言した。自身2度目の5戦連発は、球団では王貞治以来2人目の快挙となった。
5試合で7本、合計930メートルものビッグドライブと、まさに“ドラコン”状態だ。シーズン3連覇が視野に入った終盤にきて、調子をピークに持ってきた。阿部は04年4月、プロ野球タイ記録となる月間16本塁打を放っている。「あの時はもう来ないと思うけど、近い状態にある。何だか訳が分からない」と、小首をかしげた。
昨年優勝を決めた試合で痛めた右肩のリハビリから始まった09年シーズンは、苦労続きだった。4月は腰痛。5月は最愛の祖母を亡くした。背中痛に苦しんだ6月、ぎっくり腰で欠場を余儀なくされた7月。抜けない夏カゼをひた隠し、05年以来の一塁守備についた8月…。「ボクの体は、人の3倍のスピードで回復するんですよ。だから大丈夫」と笑っていたが、そこには強い信念がある。
阿部
何があっても(出場選手登録)抹消はしない。自分から無理とは絶対言いません。そういう立場じゃない。出場100試合にも届かないなんてことになったら、「年俸をお返しします」ってお願いしようって。そんなつもりでいるんです。
9月は打率4割8分3厘、8本塁打。今は万全の状態でグラウンドに立っている。好調の理由はその1点に尽きる。11日の広島戦に勝てば、まずクライマックスシリーズ進出が決まる。原監督は阿部の打撃に「野球人として、我々も魅了する1発だった。ここ数試合、一点の非の打ちどころもない」としばし酔った。だが「マジック13?
数える時期じゃない。フラットな状態で戦う」と油断はなかった。阿部も「バッティングを崩すのは簡単。明日勝てるように、それだけ考えてやる」と、世界の王以来の記録も関係なかった。普段と変わらず元気に試合に出る。慎之助のスタイルを通せば、おのずとアーチはついてくる。【宮下敬至】
[2009年9月11日8時27分
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