<オープン戦:日本ハム5-6ロッテ>◇6日◇札幌ドーム

 ロッテ根元俊一内野手(28)がオープン戦の“首位打者”に躍り出た。2試合連続猛打賞となる4打数4安打の固め打ち。計4試合とはいえ、12打数9安打と漫画「ドカベン」の主人公山田太郎ばりの打率7割5分で単独トップに立った。オープン戦だけではない。紅白戦18打数8安打、練習試合8打数2安打。実戦では38打数19安打と打率5割だ。驚異的な成績に「あり得ないですね」と、さすがに苦笑いした。

 振れば安打になる。3打席目の4回1死満塁。ケッペルの微妙に動く外寄りの直球を逆らわずに中堅越えの2点適時二塁打で決勝打を放った。「しっかり自分のスイングができた。だから(中堅手に)捕られてもいいと思った」。結果より内容に納得できた。

 08年には360打席で打率2割9分6厘を残すなど打撃には定評があった。だがその後は伸び悩み、昨季は2割2分8厘。今季はプロ入り時からのノートを見返し、一から自分の打撃フォームを確認した。「自分の間合いをつくるために、足の上げ方、トップの作り方を気持ち早くした。準備が大切」。準備の重要性を思い起こさせたのはサッカー日本代表MF長谷部誠の著書「心を整える。」。「同学年の選手が何を考えているのかと思って読んだ。意識が変わった」と言う。

 昨季、西岡のメジャー移籍後は遊撃手の位置は8人が務めた。根元もその1人だったが、西村監督も「現時点では頭1つ抜けている」と最有力であることを認めた。だが根元はまだ受け入れない。「打つだけじゃなく守りもある。気を抜かずにやりたい」。完全に手中にするまで、打って打ちまくる。【広重竜太郎】