侍ジャパン佐々木朗希投手(21=ロッテ)がWBCデビューを4回途中1失点で勝利に導いた。

「この満員のドームの中で今日投げることが出来てうれしいです」。

4回表の3人目の打者を終えて66球を投じた時点で、球数制限のルールによりマウンドを降りたが、3回2/3を2安打8奪三振2四球1死球1失点(自責0)。最速は初回の164キロだった。

「イニング途中で代わってしまったり、球数もかさんでしまったんですけれど、最少失点で抑えることが出来て良かったと思います。フォアボールが多かったんですけれど、フォークボールを有効的に使うことが出来た。(チェコ打線は)真っすぐも簡単に打たれましたし、すごい打線だったと思います」。

小学生の時に岩手県陸前高田市で被災し、父功太さん(享年37)と祖父母を津波で亡くした佐々木にとって「3・11」は特別な1日だ。

「いろいろありましたけれど、今日出来ることをしっかりやって、今日マウンドに立てたことに感謝しました」

この日は生まれ育った陸前高田市と、震災後に移住した大船渡市でパブリックビューイングが開催され、地元の親戚、友人、知人らの熱い声援にも後押しされた。東京ドームの大歓声に包まれた。

「たくさんの応援は力になりますし、これからも引き続く応援をよろしくお願いします。明日は(山本)由伸さんが素晴らしいピッチングをしてくれると思うので、応援よろしくお願いします」。

佐々木からのオーストラリア戦予告先発でお立ち台を締め、大きな拍手と歓声を浴びた。

○…大多数が学生か野球以外が本業の“二刀流軍団”チェコが底力を見せた。1回2死、「大学5年生」フルプが佐々木の163キロ直球を左翼線へ二塁打。「営業マン」チェルベンカのゴロが遊撃・中野の一塁悪送球を誘う間にフルプが先制のホームを踏んだ。投げては先発の「電気技師」サトリアが100キロ台のチェンジアップを軸に3回3失点の粘投。「精神科医」のハジム監督も「ファンの皆さんの温かい視線、励まし、素晴らしいと思う。選手たちもそれを感じて頑張ってプレーできた」と振り返った。

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