プロレスラー鈴木みのる(50)のキャッチフレーズは「世界一性格の悪い男」だ。その鈴木が、頸椎(けいつい)完全損傷で首から下が動かなくなった高山善広(51)を支援するTAKAYAMANIA実行委員会で、高山のために働いている。

3冠ヘビー選手権 敗れた鈴木みのるは防衛に成功した高山善広の右腕を持ち上げ健闘をたたえる(2009年5月30日撮影)
3冠ヘビー選手権 敗れた鈴木みのるは防衛に成功した高山善広の右腕を持ち上げ健闘をたたえる(2009年5月30日撮影)

 8月31日には、後楽園ホールで高山支援大会「TAKAYAMANIA ENPIRE」を開催するという。鈴木はメインの6人タッグに出場する。「相変わらず口は達者なので、今回の大会であいつをどんどん悔しがらせてやろうと思う。いつか、あいつには、トップロープをまたいでリングに入ってもらいますよ。自分でけじめをつけてもらいます」と、口は悪いが愛情あふれるコメントをした。

 自分の30周年記念大会を横浜赤レンガ倉庫の広場で無料開催した。「一番最初に出した条件が、無料で青空の下でやることだった」と、新日本プロレスIWGPヘビー級前王者オカダ・カズチカとのビッグマッチを無料で実施した。生まれ育った横浜のプロレスを知らない人や、子どもたちに見せるためだ。

横浜赤レンガ倉庫での30周年記念大会でオカダ・カズチカ(左)と対戦した鈴木みのる(2018年6月23日撮影)
横浜赤レンガ倉庫での30周年記念大会でオカダ・カズチカ(左)と対戦した鈴木みのる(2018年6月23日撮影)

 今やプロレス界で独り勝ちの新日本で、フリーながら異彩を放つ鈴木。プロレスラーとして、近寄りがたいオーラをまとっている。そんな鈴木が中心になって開催する2つのイベントから、鈴木の人間らしさが垣間見えた。

 50歳になっても、リング上では、オカダや内藤、棚橋らとひけを取らない動きで、会場を盛り上げる。「プロレス界で1番練習しているから」と、自信満々で胸を張る。「世界一性格の悪い男」は、今日も、闘病中の仲間や、ファンのため、プロレスのために戦い続ける。【バトル担当=桝田朗】