元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男の夢道鵬(むどうほう、18=大嶽)が、偉大な祖父の化粧まわしを締めて、新序出世披露に臨んだ。大鵬の地元・北海道で有名な、すずらんがあしらわれた化粧まわしは、兄で幕下の納谷も昨年初場所の新序出世披露で締めたもの。2人目の「大鵬の孫」として角界入りした夢道鵬は「気持ちが引き締まる。これから頑張らないといけないと、あらためて思った」と、初々しく話した。

夢道鵬について、恩師で多くの幕内力士を輩出する埼玉栄高の山田監督は「プロの体になれば化ける可能性がある」と、将来性を高く評価する。183センチ、135キロの体を一回り成長させ、十両、幕内へと番付を上げることを期待した。

ところが今場所の前相撲で、夢道鵬は1勝2敗だった。再出世力士に勝っただけで、今場所初土俵の他2人に負けた。モンゴル出身の出羽ノ龍(出羽海)が3勝、埼玉栄で夢道鵬の1学年上の二本柳(阿武松)が2勝1敗。半年間の研修などを経た出羽ノ龍は「やっと前相撲を取れた」と笑った。二本柳は昨夏に負った右膝の大けがからの再起だけに「化粧まわしの重みを感じた」。逸材ぞろいの3人。数年後「伝説の新序出世披露」となる日が来るかもしれない。【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)