本格的な土俵で繰り広げられる相撲のショーを提供するとんかつ屋が、訪日客の間で話題になっている。

東京・墨田区の「横綱とんかつどすこい田中」では週3回、昼の時間帯に外国人観光客を対象に元力士たちのパフォーマンスが見られるショーを行っている。食事込みで1万1000円からという強気な設定だが、2、3カ月以上先まで予約で埋まっている。日本ならではの体験ができると人気が殺到しているようだ。

いずれも演者は元力士で構成。その中には元小結の常幸龍の佐久間貴之さんのように現役時代トップクラスの実力を誇った猛者も在籍。従業員として厨房(ちゅうぼう)でとんかつを揚げて食事の準備をした後、休む間もなく、まわしを締めて土俵に上がった2人によるショーがスタート。英語を駆使して説明する女性司会者の案内の下、四股、すり足、ぶつかりといった稽古の様子を再現。実際に2人が相撲を取ると、大きな拍手と歓声が起きて写真を撮る人が後を絶たない。

力士の着ぐるみを着て相撲を取ったオランダ人男性は「日本の伝統を楽しみながら学べた」と大満足な様子。「今度は大相撲を見に行きたい」と興味津々だった。【平山連】 (ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

外国人客(右)と相撲を取る元松乃海の坂本さん(撮影・平山連)
外国人客(右)と相撲を取る元松乃海の坂本さん(撮影・平山連)