「8%の壁」打破で、世界的スターへの第1歩を。ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、9月9日(日本時間10日)に米国で6度目の防衛戦を行うことが19日に発表された。都内で会見し、同バンタム級7位アントニオ・ニエベス(米国)を迎える米デビュー戦に、堂々のKO宣言。日本人の米国での世界戦は過去25試合でKO勝ちは2度のみ。達成率8%の難関を突破する。

 日本人には歓迎しかねるそのデータは、「怪物」井上にとっては大歓迎かもしれない。

 日本人の米国でのタイトル戦は68年に始まって約半世紀で25試合。KO勝ちは、80年にWBA世界ジュニアライト(現スーパーフェザー)級で6回KO勝ちした上原、14年にWBO世界バンタム級王座を7回KOで防衛した亀田和のみ。その事実を聞くと、口角を上げ、「倒しますよ」と爽やかに言った。困難だからこそ、強さの証明にはうってつけ。そんな表情にも見て取れた。「攻撃的なスタイル、倒すスタイルをしっかり見せたい」と一段と気合が乗った。