覚せい剤取締法違反(使用、所持)の罪に問われた女子プロレスラー浜田文子被告(37)の初公判が18日、東京地裁(井下田英樹裁判官)で行われ、浜田被告は起訴内容を認めた。裁判はこの日うちに結審し、懲役1年6月、執行猶予3年の判決が下された。

 被告人質問で浜田被告は「けがや家族との関係に悩み、使ってしまった。深く反省している」と話した。父親で元プロレスラーのグラン浜田が証人として出廷し「今後は家族やプロレス関係者と一緒に指導、監督していく」と述べた。

 浜田被告は裁判終了後に弁護士会館で会見し「このたびは本当にたくさんの方々にご迷惑をおかけしたことを反省し、申し訳ない気持ちでいっぱいです。2度と、このようなことをしないように、前を見て進んでいきたいと思います」と話した。今後については「17歳からプロレスをしてきて、プロレス以外の仕事をしたこともなく、プロレスは人生そのもの。しかし、自分はプロレスを続けるべきではないと思うし、辞めるしかない」と引退を明言した。スペイン語の通訳などの仕事に就くことを検討しているという。

 起訴状によると、5月13日ごろ、東京都足立区にあった当時の自宅で覚醒剤を使用するなどした。故障やトップレスラーとして求めてもらえない悩みなどで追い詰められ、都内の繁華街で覚醒剤を数回購入。最初は「怖くて、すぐにトイレなどで流すなどでし廃棄していた」というが、自宅に持ち帰っていたものを、1人になったときに吸ってしまったという。5月13日に午後9時ごろ、任意同行を求められた警察署内で逮捕。同31日の保釈後は父親の家で過ごしていたという。

 前所属のWAVEの仲間には、都内の飲食店で全員に謝罪した。「父親には『こんなことは2度とするな』とやさしい感じで言われた。今でも、ちゃんと父の顔はみられません」と涙ながらに話した。グラン浜田は「文子のことを、これから親として見守っていく。プロレスしかない子なので、今回のことは本当に残念です」と話した。

 浜田は、1998年にデビューし、これまで多くのタイトルを獲得。所属していたWAVEからは、逮捕後に契約を解除されていた。