プロボクシング元ミニマム級世界主要4団体を制し、アマチュアで東京五輪を目指したがかなわずプロに再転向した高山勝成(37=寝屋川石田)が、4年4カ月ぶりの復帰戦を白星で飾った。

ライトフライ級6回戦でWBC世界同級11位の小西伶弥(27=SUN-RISE)に3-0大差判定勝ち。10歳の年齢差、ブランクがあっても世界をとったテクニックは健在だった。左右前後に小刻みにステップを切って小西の強打を外し、逆に多彩な角度からパンチを当てた。戦い方を知り尽くしている巧者ぶりで「とても楽しい6ラウンドでした」と余裕で言った。

当初は11月23日に兵庫・三田市で試合が組まれていた。小西が前日計量後のPCR検査で新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たため急きょ中止となった。その後の検査では陰性判定で、今回が仕切り直しの対戦となった。

試合後の会見では、20日に亡くなった作詞作曲家で歌手の中村泰士さんへの思いを語った。自身の後援会の副会長を務めた恩人で「自分がしんどい時も、いつも気にかけてくれてました」という。「試合の前に中村泰士さんが亡くなられて残念ですが、今日の勝利でしっかり伝えられたかなと思います」。

これで世界ランク入りも濃厚。「年内に世界ランクに入ることが最初の目標だった。それをクリアできたのでまた来年、頑張っていきたい。課せられた戦いの中で突き進んでいきたい」と話した。