ビッグダディ三女こと林下詩美(22)がワールド・オブ・スターダム選手権で舞華の挑戦を退け、2度目の防衛に成功した。「(舞華が)本当に強くて、てこずっちゃった。でも赤いベルトのチャンピオンだし、負けられないと。最高の相手と戦って赤いベルトの価値も上がったと思う」とかみしめた。

最高峰の赤いベルトを守り抜いた。小技やテクニックではなく、力と力でぶつかり合った。絞め技で意識がなくなりかけても立ち上がり、攻撃を続けた。最後は相手を持ち上げ、BTボムからの片エビ固めで勝利した。

昨年1月は、デビュー2年目までが挑戦できるフューチャー・オブ・スターダムのベルトを舞華と争っていた。1年で最高のタイトルを奪い合うまでになり「時の流れの早さを感じた。スターダムと自分の未来への明るさが伝わったと思う」。お互いの成長を感じながら、力勝負を制した。

試合後には3月3日の日本武道館大会での防衛戦に、同じユニットの上谷沙弥が挑戦を表明。普段からタッグを組み、よく知る相手。近くで成長する姿を見てきた。以前から「対戦したい」と言い寄られていたが、この日、正式に要請を受けた。「私に勝ったこともない、フューチャーのベルトも取れなかった。そんな上谷だけど、武道館で2人で最高の試合ができる自信はある」。悩み抜いた結果、受けて立つことを決めた。

スターダムを支えてきた岩谷からベルトを奪ってから3カ月。「林下詩美が持っているから挑戦したい、と思えるベルトにする」との思いで21年を迎えた。5日には、昨年セコンドで出場できず涙した東京ドームのリングに立ち、チャンピオンとしての勇姿を見せた。「私が作っていくスターダムを楽しみにしていてください」。王者の風格が漂ってきた林下が武道館でも躍動し、新時代を築き上げていく。