ボクシングのWBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(27=大橋)らがエキシビション戦に参戦する。スパーリング形式の3分3回で開催。

出場予定だった東京五輪ライト級日本代表の成松大介(31=自衛隊体育学校)が発熱で欠場することが11日、主催者から発表された。PCR検査を受ける前に発熱したため、自宅で静養しているという。成松の代役としてアマチュアから秋山佑汰(26)が出場し、IBF世界スーパーライト級12位平岡アンディ(24=大橋)と対戦した。


【第1試合】


木村翔   
  
 武居由樹

1回

元WBO世界フライ級王者の木村とK-1のスーパーバンタム級王者の武居は、ヘッドギアをつけずにグローブを交えた。開始から距離をとってお互い様子を見ていたが、サウスポーの武居が左アッパーで先制攻撃。その後も武居が左アッパーを軸に連打を畳みかける。木村も1分半すぎに右フックで反撃。残り30秒すぎから武居がコンビネーションで左フックを当てた。

日刊採点10-9(武居)

2回

開始から木村が前進して右パンチを繰り出すが空転。武居が冷静に左パンチをヒット。その後も木村が前進して連打を出すが、武居になかなか当たらない。残り40秒、ようやく木村の右ストレートがヒットするが、ダメージを与えるまでには至らず。ほぼイーブンも、この回は前に出て、手数が多かった木村ややリードか。

日刊採点10-9(木村)

3回、積極的に木村(手前)にパンチを浴びせる武居(撮影・浅見桂子)
3回、積極的に木村(手前)にパンチを浴びせる武居(撮影・浅見桂子)

3回

開始から木村が前に出てプレッシャーをかけるが、武居は冷静にパンチを見切って、右ジャブ、左のショート、アッパーと的中させる。中盤も武居は打ち合いを避け、距離を取ってジャブやアッパーをヒットさせる。終盤に木村は右ボディーブローを何度かヒットさせたが、武居のペースを崩し切れず。

日刊採点10-9(武居)

3回を終えて、笑顔で手を上げる武居(左)と木村翔(撮影・浅見桂子)
3回を終えて、笑顔で手を上げる武居(左)と木村翔(撮影・浅見桂子)

木村翔が元K1王者武居戦を自己評価「判定負け」

武居由樹が元王者木村戦で収穫「ジャブは当たるな」

【第2試合】


京口紘人   
  
 八重樫東

1回

現役の世界2階級制覇王者の京口、引退している元3階級制覇王者の八重樫のスパーリングは、両者ヘッドギアを着用してグローブを交えた。開始から京口が前進して左から右アッパーをヒット。八重樫は高いガードからボディーブローを繰り出す。1分半すぎに京口の左右ボディー連打がヒット。八重樫も打ち返すが、京口はしっかりとガード。

日刊採点10-9(京口)

2回

現役の世界2階級制覇王者の京口、引退している元3階級制覇王者の八重樫のスパーリングは、両者ヘッドギアを着用してグローブを交えた。開始から京口が前進して左から右アッパーをヒット。八重樫は高いガードからボディーブローを繰り出す。1分半すぎに京口の左右ボディー連打がヒット。八重樫も打ち返すが、京口はしっかりとガード。

日刊採点10-9(京口)

3回

開始から連打の応酬も、京口のボディーブローが有効にヒットする。八重樫も下がらずに応戦し左右アッパーをヒット。1分すぎから京口の強烈な左ボディーブローがヒットするが、八重樫も前に出て応戦。残り1分から両者と近距離で打ち合い。終盤に京口の強烈な右ストレートがヒットした。

日刊採点10-9(京口)

3回、八重樫(手前)と気迫の打ち合いをする京口(撮影・浅見桂子)
3回、八重樫(手前)と気迫の打ち合いをする京口(撮影・浅見桂子)
3回を終えて手を上げる八重樫(左)と京口(撮影・浅見桂子)
3回を終えて手を上げる八重樫(左)と京口(撮影・浅見桂子)

八重樫氏「激闘王」の片りんみせた!現役復帰は否定

京口紘人「拳のみで会話」八重樫東と激しい打ち合い

【第3試合】


森脇唯人   
  
 井上岳志

1回

全日本選手権3連覇中の東京五輪ミドル級日本代表の森脇と、プロで世界挑戦の経験もあるWBOアジアパシフィック・スーパーウエルター級王者の井上のアマチュアとプロのスパーリングは、ヘッドギアなしでグローブを交えた。

開始から長身でリーチに勝る森脇の速い左ジャブがヒット。井上はガードを固めて前に出るが、パンチを当てることができない。1分半すぎに森脇の強烈な左ストレートをカウンターで浴びた井上が、左まゆをカット。スパーリングが再開されると、井上は強引に前に出るが、出血が激しくなった。

日刊採点10-9(森脇)

2回

開始から森脇が遠い距離からの速いジャブでペースを握る。井上は相手の左が邪魔でなかなか前に出ることができなかったが、1分すぎに右フックをヒットさせると、一瞬、森脇の動きが止まった。中盤以降は井上がぐいぐい前に出て、体をつけて重いパンチを連打して、乱打戦に持ち込む。

日刊採点10-9(井上)

3回

井上が高いガードでじわじわと前進。森脇が長い左ジャブで距離を取る。1分すぎに井上が相手の胸に頭をつけて右アッパーをヒット。ロープにつけて右フックを浴びせる。残り30秒を切ると、井上が接近戦に持ち込んでパンチをヒットさせた。

日刊採点10-9(井上)

3回、井上(手前)と気迫の打ち合いをする森脇(撮影・浅見桂子)
3回、井上(手前)と気迫の打ち合いをする森脇(撮影・浅見桂子)
3回を終えて健闘を称えて手を上げる森脇(左)と井上(撮影・浅見桂子)
3回を終えて健闘を称えて手を上げる森脇(左)と井上(撮影・浅見桂子)

【第4試合】


秋山佑汰   
  
 平岡アンディ

1回

出場を予定していた東京五輪ライト級日本代表の成松が発熱で欠場したため、国体優勝3回などアマ5冠を誇る秋山が代役出場した。

IBF世界スーパーライト級12位の平岡とのアマチュアとプロのスパーリングは、アマの秋山がヘッドギアを着用、プロの平岡はヘッドギアなしでグローブを交えた。サウスポー同士で開始からお互い右ジャブを出して距離をはかる展開が続いた。中盤から秋山がジャブを出して前進するが、平岡にヒットすることができない。2分すぎに平岡のオーバーハンドレフトがヒットし、終盤にはロープにつめて連打。お互い決定打はなかったが、やや平岡が優位か。

日刊採点10-9(平岡)

1回、秋山(左)に気迫の表情で打ち込む平岡(撮影・浅見桂子)
1回、秋山(左)に気迫の表情で打ち込む平岡(撮影・浅見桂子)

2回

ジャブの付き合いでスタート。その後、秋山が前進してパンチを繰り出すが、動きの速い平岡をとらえることができない。1分半すぎから平岡は足を使ってアウトボクシング。2分40秒、平岡の左右フックが秋山の頭をヒットするが、両者ともなかなかかみ合わず。

日刊採点10-9(平岡)

3回

前半は平岡がフットワークを使ってアウトボクシング。50秒すぎに平岡が秋山をコーナーにつめて連打をまとめる。1分すぎから秋山のボディーブローが当たりはじめる。2分すぎに平岡が連打から左ストレートをヒット。秋山もアッパーで応戦するが、最後は平岡の右アッパーが決まったところでゴング。

日刊採点10-9(平岡)

1回、レフェリーを務める渡嘉敷氏(手前下)が倒れ、思わず苦笑する平岡(左)と秋山(撮影・浅見桂子)
1回、レフェリーを務める渡嘉敷氏(手前下)が倒れ、思わず苦笑する平岡(左)と秋山(撮影・浅見桂子)

【第5試合】


岡沢セオン   
  
 佐々木尽

1回

東京五輪ウエルター級日本代表のアマチュアの岡沢と、プロの日本スーパーライト級ユース王者で10戦全勝(9KO)の19歳の強打者佐々木のスパーリングは、ヘッドギアなしでグローブを交えた。サウスポーの岡沢が開始からワンツーをヒット。1分すぎにも岡沢が長距離からワンツーを決める。佐々木も打ち返すが、速い岡沢をとらえることができない。その後も佐々木が前に出ようとするが、岡沢は速い左で中に入れなかった。

2回

始から佐々木が前へ突進。岡沢は足を使って距離を取る。1分20秒すぎに岡沢のワンツーがヒットするが、佐々木は効いていないとアピール。2分すぎには岡沢が佐々木をコーナーにつめて連打。佐々木はパンチを繰り出すが速い岡沢に当てることができない。ラウンドを通じて岡沢が支配した。

日刊採点10-9(岡沢)

3回

開始からトリッキーな動きで佐々木が打ち合いを誘うが、岡沢は距離を取ってペースを崩そうとはしなかった。1分すぎに佐々木の挑発に、岡沢は両手を腰の後ろにもっていき、ノーガードで戦う余裕を見せる。しかし、残り1分から展開が一変する。突然、両者足を止めて打ち合い。岡沢が左ストレートから右フックを決めると、佐々木も右ストレートをヒットさせて応戦。終了ゴングまで手を緩めずに打ち合った。

日刊採点10-9(岡沢)

3回、佐々木(右)を笑顔で挑発する岡沢(撮影・浅見桂子)
3回、佐々木(右)を笑顔で挑発する岡沢(撮影・浅見桂子)
3回、佐々木(手前)と笑顔で打ち合う岡沢(撮影・浅見桂子)
3回、佐々木(手前)と笑顔で打ち合う岡沢(撮影・浅見桂子)

岡沢セオン「アマに誇りがある」佐々木尽と打ち合う

【第6試合】


内山高志   
  
 坂晃典

1回

一時代を築いた元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王座を11度防衛の内山と、現役の日本スーパーフェザー級王者で日本王座2階級を制した坂のスパーリングは、現役の坂がヘッドギアを着用、内山はヘッドギアなしでグローブを交えた。開始1分は両者警戒して手数が少なかった。1分20秒すぎに内山の左ジャブからワンツーが坂の顔面をとらえた。2分すぎにも右フックから左ボディーブローがヒット。坂は前に出るが、内山がたくみにサイドに回る。残り30秒すぎに内山の左ボディーブローが再びヒットした。

日刊採点10-9(内山)

2回

開始から坂が左ジャブをついてじりじりと前に出る。30秒すぎに内山の右ストレートが坂のボディーにさく裂。1分半すぎに坂が内山をロープにつめて右フックをヒット。1分50秒、内山の右ストレートが、2分には内山の左ボディーブローがまともに坂に決まる。終了20秒前から坂が連打でラッシュもダメージは与えられず。

日刊採点10-9(内山)

3回

坂がヘッドギアを外して登場。左ジャブをついて内山をロープにつめて連打。内山は体力を消耗したのか手数が減る。2分すぎに内山の右ストレートが坂の顔面にヒット。左ボディーブローも決めたが、坂もジャブから右ストレートで応戦した。坂が手数でやや上回ったか。

日刊採点10-9(坂)

3回、内山(右)と坂は気迫のこもったと打ち合いを披露(撮影・浅見桂子)
3回、内山(右)と坂は気迫のこもったと打ち合いを披露(撮影・浅見桂子)
3回、内山(手前)と打ち合う坂(撮影・浅見桂子)
3回、内山(手前)と打ち合う坂(撮影・浅見桂子)
3回、内山(手前)がよろめき、笑みを浮かべる坂(撮影・浅見桂子)
3回、内山(手前)がよろめき、笑みを浮かべる坂(撮影・浅見桂子)

【第7試合】


井上尚弥   
  
 比嘉大吾

1回

世界3階級制覇王者で現役最強と言われる井上と、元WBC世界フライ級王者で2階級制覇を目指す比嘉のスパーリングは、ヘッドギアを着用してグローブを交えた。50秒すぎに井上の右ストレートがヒット。その後は鋭いジャブで井上がペースを掌握。1分半すぎに比嘉が井上をロープにつめて連打をたたきこんだところに、井上が右アッパーから左ボディーを決める。その後も井上が比嘉をロープに誘い、カウンターを狙う。「ガチでやりたい」という井上の試合前の宣言通り、スパーリングとは思えない迫力のある攻防が繰り広げられた。

日刊採点10-9(井上)

2回

開始から速く鋭い左ジャブで井上がペースを握る。比嘉は前へ出てパンチを繰り出すが井上はしっかりとガード。1分すぎから井上はノーガードで打ち合う余裕も。1分半すぎから左ボディーブローから右ストレートで比嘉をのけぞらせる。2分すぎには右ストレートで比嘉を何度ものけぞされる。比嘉は必死に前に出て手を出すも、井上のカウンターの連打を浴びる。

日刊採点10-9(井上)

3回

両者ヘッドギアをはずして登場。30秒すぎに井上が連打から左ボディーブローを決める。1分すぎに比嘉の右フックもヒット。1分半すぎに比嘉がロープにつめてラッシュするも、井上はクルクルとパンチを外してみせる。1分すぎにロープに詰めて比嘉が右ストレートを決めるが、井上が右アッパー3連発で比嘉のあごをはね上げる。井上はロープに下がって、比嘉にパンチを出させる余裕を見せた。

日刊採点10-9(井上)

3回、ヘッドギアを取って気迫の打ち合いをする井上(左)と比嘉(撮影・浅見桂子)
3回、ヘッドギアを取って気迫の打ち合いをする井上(左)と比嘉(撮影・浅見桂子)
3回、ヘッドギアを取っての打ち合いを終え、笑顔で健闘を称え合う井上(右)と比嘉(撮影・浅見桂子)
3回、ヘッドギアを取っての打ち合いを終え、笑顔で健闘を称え合う井上(右)と比嘉(撮影・浅見桂子)
3回、ヘッドギアを取っての戦いで比嘉(左)にパンチを放つ井上(撮影・浅見桂子)
3回、ヘッドギアを取っての戦いで比嘉(左)にパンチを放つ井上(撮影・浅見桂子)
3回、ヘッドギアを取って気迫の表情で井上(手前)に打ち込む比嘉(撮影・浅見桂子)
3回、ヘッドギアを取って気迫の表情で井上(手前)に打ち込む比嘉(撮影・浅見桂子)

井上尚弥「しっかりガチで」比嘉大吾の顔赤く染まる