世界タッグ選手権試合は、88代王者の宮原健斗(31)、青柳優馬(25)が、アブドーラ・小林(44)、関本大介(40)組を破り、初防衛に成功した。

宮原は因縁の相手、小林をゴング直後から痛めつけた。膝蹴り、頭突きで顔面を出血させた後も容赦なく襲いかかった。その後165キロの巨体の突進を受け、一時意識朦朧に。終盤青柳に背中をたたかれ、目を覚ました宮原は、小林の後ろに付くと、ジャーマンスープレックスで豪快にぶん投げ、3カウントを奪った。勝利後小林から「これで1勝1敗だ。これが戻ってくる時は、お前がターゲットだ」と今後の対戦を要求されたが、恨みは晴れていないのか、無視してリングを去った。

昨年11月の最強タッグ決定リーグの初戦で2人にいきなりの敗戦。宮原は「2020年最大の汚点」と悔しがった。同リーグを優勝後、今年1月にタイトルを奪取したが、挑戦表明に現れたのはまさかの小林、関本組だった。宮原は顔を合わせるのも嫌なほどの小林と20日に前哨戦。反則勝ちとなったものの、スパナ、ジュラルミンケースで痛めつけられ、最後はテーピングで首を絞め上げるなどの屈辱を受けた。

27日に32歳の誕生日を迎える宮原。31歳最後の試合で因縁の相手に勝利し、ベルトを守ったが、ライバル視されるのに抵抗があるという。「1勝1敗って紙面とかに書くなよ。その感じやめてくれ。競っているみたいに思われるだろ」とバックステージで報道陣に要求。その後現れた小林から「防衛は認める。だが1勝1敗だ」と再度忠告され、バトルは今後も継続していく様相。認めたくはないが、遺恨が残ってる以上、自らの手で勝ち越し勝利を手にし、抗争に終止符を打つしかない。【松熊洋介】