今月16日の後楽園大会で右膝を負傷した内藤哲也(38)が5試合ぶりに復帰し、元気な姿を見せた。28日にIWGPインターコンチネンタルのベルトをかけて挑戦する飯伏幸太(38)と最後の前哨戦に挑み、勝利を収めた。

痛めた右膝をかばう様子も見せず、飯伏に低空ドロップキックを浴びせ、足4の字固めを決めた。試合後は飯伏の前で屈伸をしてみせるなど復調をアピール。ベルトを見せつける王者の挑発にも乗らず、軽快な足取りで会場を後にした。

ヘビー級との2冠統一を掲げる飯伏に反論し、インターコンチネンタルのみのベルトに挑戦表明。統一の意図を求めていた飯伏が先日、その思いをついに口にした。「2つとも歴史を残したまま、統一する。そして世界的なレベルのベルトにしていきたい」。別々のものと考える内藤は「この先のビジョンがちゃんとあったということだね。意見が違うのは当たり前。どっちの意見も間違っていない」と認めた。その上で、なかなか真意を語らなかったことに関しては「遅すぎるかな。考え直した方がいいと思う」と苦言を呈した。

それでもお互いを認め合う同い年のライバルと、約2カ月ぶりの再戦が楽しみであることに変わりはない。「何度やっても楽しい。ちょっとピリピリした雰囲気の中、試合ができることがうれしい」と話した。

欠場した4試合ではすべて選手と帯同し、リング上で内藤哲也のプロレスが見せられないことをおわびして回った。普段からファンのことを「お客さま」と呼ぶ内藤。15年にユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を立ち上げた。ブーイングが声援に変わり、最初は皮肉も込めていたが、今は感謝の思いを込めて使っている。

「あとは大阪城ホールのリングで戦うだけ」と右膝の不安を一蹴した。28日「お客さま」の前で最高のパフォーマンスを見せ、1つ目のベルトを奪取する。【松熊洋介】