新日本プロレスとの約5年ぶりの対抗戦で、ノア初勝利をもたらしたのは、ジュニアの絶対的エースHAYATA(34)だった。第3試合で同門の吉岡世起(34)と組み、新日本プロレスの石森太二(38)、外道(52)組とタッグマッチで対戦。かつてノアで活躍し「箱舟最強のジュニア」の異名を取った石森との新旧王者対決を制し、3連敗スタートとなったノア勢に活を入れた。

【新日本vsノア対抗戦】全試合ライブ詳細

今のノアジュニアは石森がいた時とは違う-。現GHCジュニアヘビー、同ジュニアタッグの2冠王者HAYATAが、かつてノアで活躍し、同ジュニアヘビー級王座の最多連続防衛記録10回を持つ「旧王者」石森をタッグマッチで粉砕した。

序盤は相方の吉岡が2人がかりでいたぶられる展開だったが、HAYATAが終盤に登場して一転。軽やかな動きでリング上を跳ね回ると、最後は5分59秒、外道に必殺のヘデック(変形フランケンシュタイナー)を突き刺して3カウントを奪った。3連敗スタートの苦戦を強いられたノア勢に、弾みをつける1勝をもたらした。

対戦相手の石森は、正式入団前を含めると、12年間ノアのリングで活躍。だが、18年に「より外の世界へ興味を持った。ここで一歩踏み出さなければ一生後悔する」と退団し、現在は新日本プロレスのヒールユニット「バレット・クラブ」の一員として猛威を振るっている。ジュニアの一時代を築いた宿敵の前で、HAYATAが現在のノアジュニアの実力を証明。バックステージでは無言も、晴れ晴れとした表情を浮かべた。

昨年6月に3度目のジュニア王座を戴冠し、ここまで8度の防衛を果たしているHAYATA。石森の10度超えも視界にとらえる。石森からは「ノア感を感じねえ。どうせやるなら本物のノアとやりたかった」と罵倒されたが、どこまでもわが道を行くつもりだ。【勝部晃多】