ボクシング史上最大のスーパーファイトは2015年5月2日、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われた世界ウエルター級王座統一戦である。

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4階級制覇のWBC、WBAスーパー王者フロイド・メイウェザー(米国)と、史上最多6階級制覇のWBO王者マニー・パッキャオ(米国)が拳を交えた。戦績はメイウェザーが47戦全勝(26KO)。パッキャオ57勝(38KO)5敗2分け。

近代ボクシング史に名を刻む2人のレジェンドの対決は、09年から交渉が始まり、ドーピング検査やファイトマネー、放映権を巡って何度も決裂した。5年以上の歳月をかけてようやく実現した待望の“世紀の一戦”とあって、注目度も興行規模も過去のスーパーファイトをはるかに上回るものになった。

1万6000人収容の試合会場のチケットの最高額は7500ドル(約90万円)。最低でも1500ドル(18万円)に設定された。それでも試合1週間前にはリングサイド席のチケットが10万ドル(1200万円)まで高騰。入場料収入だけで7000万ドル(84億円)という史上最高額を記録した。試合当日はラスベガスのホテルはほぼ満杯。世界中のVIPが観戦に駆けつけ、ラスベガス国際空港は同日、プライベートジェット機が500機も駐機されたと発表した。

一方、PPV(ペイ・パー・ビュー)はショータイムとHBOの2大放送局が共同で制作し、視聴料金は通常の2倍近い約90ドル(約1万800円)に設定されたが、視聴件数は過去最高の245万件(メイウェザー対デラホーヤ)の2倍以上の約500万件に達した。その収益は4億ドル(480億円)と言われる。

ファイトマネーは当初、メイウェザーが1億2000万ドル(約144億円)、パッキャオが8000万ドル(96億円)とされていたが、PPVの売り上げの歩合を含めると、最終的にメイウェザー2億1000万ドル(約252億円)、パッキャオ1億5000万ドル(約180億円)に達したとも言われている。

試合は4回にパッキャオが左ストレートを決めてメイウェザーを後退させたものの、全体を通してディフェンシブに戦ったメイウエザーが左ジャブと右ストレートでペースを掌握し、3-0の判定勝ち(116-112が2人、118-110が1人)を収めた。

 

※当時のレート 1ドル=120円で換算。