前IWGPジュニアヘビー級王者で、優勝候補筆頭のエル・デスペラードが、開幕戦で底力を見せつけた。

メインイベントで3年ぶりの同リーグ参戦となったCMLLのティタン(31)と対戦。序盤は、ルチャ流の軽やかなスピードと、予測不能な動きに手玉に取られた。トップロープからのラ・ケブラーダ(ムーンサルトプレス)やドラゴンスクリューからの変形4の字固めなどを受けると、思わず叫び声を上げた。

だが、会見で「いい選手がそろっていて俺自身も非常に刺激を受けている」と意気込みを語った男は、粘り強かった。必殺のティタニカの体勢からインモタルを決められるも、寸前でキックアウト。最後は、3度目の試みとなったピンチェ・ロコ(ダブルアーム式変型フェイス・バスター)を豪快に決めて、逆転の3カウントを奪取した。13分45秒の決着とは思えない、ジュニアの技が詰まった一戦だった。

これには、勝ち点2を手にした後も、賛辞の言葉を惜しまなかった。「やっぱり、すげえ。素晴らしい。彼が来てくれてよかったよ」と、引き揚げていく相手に拍手を送った。

エントリーしたBブロックは、現同級王者の石森太二や昨年度覇者の高橋ヒロムなどが参戦するAブロックに比べて「地味」と自覚する。だが、派手な選手はいなくとも、AEWのウィーラー・ユウタやGLEATのエル・リンダマンなど、他団体からも実力者がそろう。「その分、ねちっこいもんを見せられる」と、相乗効果を期待する。優勝は、もちろん譲らない。「全部ぶちぬいてやる」と、鼻息を荒らげた。