16年世界ユース選手権制覇を含むアマ13冠ボクサー堤駿斗(23=志成)がプロ3戦目でアジア王座挑戦する。5月31日、東京・後楽園ホールで東洋太平洋フェザー級王座決定戦に臨み、同級3位として同級4位ジョー・サンティシマ(26=フィリピン)と拳を交えることが3日、発表された。プロ3戦目での同王座獲得となれば、4戦目の元世界3階級制覇王者田中恒成(畑中)を抜き、日本男子では最速記録となる。

同日、東京・目黒区の所属ジムで会見した堤は「いよいよ12ラウンドの試合。ワクワクしていますし、まずは1本目のベルトをしっかりと取りたい」と意気込みを示した。サンティシマは20年2月、米ラスベガスでWBO世界スーパーバンタム級王座に挑戦したパワフルな右構えのボクサー。「今回は過去2戦よりも強敵。この2試合はKOできなかったが、今回は自然な流れでKOできれば。しっかり相手を削り、KOにつなげたい」とテーマを掲げた。

東洋太平洋王座を獲得すればWBCなど世界主要団体でランキング入りする可能性がある。また国内で世界挑戦できる権利も得られる。堤は「世界で戦うことが自分の中の目標であり、それが現実味を帯びてきた。同じ階級の世界の選手をチェックしていますし、世界の強豪としのぎを削っていきたい」と意気込んだ。5日には離日し、米ラスベガス合宿を開始する。師事するキューバ人トレーナー、イスマエル・サラス氏(65)のもとでスパーリングなど実戦トレーニングを積む予定だ。

幼少時代、空手で一緒だった無敗の格闘家・那須川天心(24=帝拳)がプロボクサーに転向し、8日に東京・有明アリーナでボクシングデビュー戦を控える。またアマ時代のライバルだった「ミライモンスター」松本圭佑(23=大橋)が18日、東京・後楽園ホールで日本フェザー級王座に挑戦する。特に松本とは2月下旬から3月下旬まで10日間、鹿児島・徳之島で一緒に走り込み合宿してきた。同世代の存在に、堤は「刺激を受けています」と気合の入った表情。初メインイベンターとして王座獲得で興行を締めくくる責任感も示していた。