元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)が約2年7カ月ぶりの王座返り咲き&4団体王座獲得に失敗した。4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)に挑戦し、0-3(112-116、113-115×2)の判定負けを喫した。

序盤から試合ペースを握り切れず、終盤から追い上げたものの、競り勝つことはできなかった。

ロマチェンコは「私のイエス・キリストに感謝します。ありがとう。チームのみんなに感謝している。マネジャー、家族、ファンのみんな応援してくれてありがとう。(負けたかどうかは)言いたくない。目の前で起きたことが事実。まだまだボクシングができることをお見せできた。また次回、お会いしましょう。ここで言い訳したくない」と判定結果についての言及は避けた。

20年10月にテオフィモ・ロペス(米国)に敗れてベルトを失ったロマチェンコは母国がロシアの侵攻に見舞われ、自国防衛軍に入隊。昨年6月、当時の3団体統一同級王者ジョージ・カンボソス(オーストラリア)との再戦が中止となった。王座返り咲きのチャンスを1度逃し、ようやくたどり着いた王座返り咲きのチャンスだった。

ロマチェンコは「ヘイニーはあらゆる面ですごかった。彼はもっと強くなるでしょう。タフなファイターだが(階級を超越した)パウンド・フォー・パウンド1位ではない。母国に帰って自分の国を支援していきたい」と言うと、会場に大歓声が響いた。

08年北京オリンピック(五輪)フェザー級、そして12年ロンドン五輪ライト級で連続金メダルを獲得。アマ戦績396勝1敗という記録を持って13年10月にプロデビュー。WBO世界フェザー級王座、WBO世界スーパーフェザー級王座、WBA世界ライト級王座を獲得し、史上最短記録の12戦目で世界3階級制覇を達成した。

同級でWBA、WBC、WBOと3団体を統一してきた「ハイテク(高性能)」と呼ばれてきたロマチェンコだったが、4団体のベルト奪取のチャンスをつかむことができなかった。

【4団体統一ライト級タイトルマッチ】ヘイニーがロマチェンコに判定勝利、7度目の防衛/詳細