「想定外の」完全アウエーが勝利につながった。2年連続2度目の出場となった鈴季すずが、舞華とのパワフル対決を制し、初優勝を飾った。「私はシングルマッチが大好物なんだよ。私が最強だということ」と高らかに語った。
舞華コールが何度も飛び交うまさかの完全アウエー。「想定外だった。いつもはたくさん応援してくれるのに…」と戸惑ったという。それでもプレッシャーがなかったことで気持ちが楽になれたという。「(勝因は)私の応援が少なかったからですかね」と冷静に? 分析。実はこの日は第0試合の16選手によるランブル戦にも出場し、勝ち抜いていた。「1日2勝なんて最高。たぶんみんな忘れてますけどね」と微笑んだ。
他力での決勝進出だった。自身はこの日組まれていた上谷沙弥との試合が不戦勝。勝ち点12としていたが、刀羅ナツコ、中野たむのどちらかが勝った時点で、終戦だった。複雑な心境だったというが「準備はしていました」と万全で臨み、勝利をつかんだ。
18年から所属したアイスリボン時代から、ジュリアを姉のように慕ってきた。そんなジュリアは解説席で号泣。試合後のマイクでは「『やってやったぞ』っていう気持ちだった」と指をさすポーズで応えた。今年4月からスターダムを主戦場に。21歳の鈴季は舞華らと一緒に岩谷、朱里、ジュリア、中野と世代闘争を宣言。優勝したことで「(上の世代は)ガタガタ震えてると思いますよ」と不敵な笑みを浮かべた。
次なる目標はワールド・オブ・スターダム王座だ。「最高峰のベルトに挑戦する価値がある」。10月9日には現王者中野たむと、刀羅ナツコの試合が組まれているため、11月18日大阪大会でのタイトルマッチを要求。「どっちが来ても大丈夫」と自信をのぞかせた。「プロレス界の顔になるのが目標」という鈴季。間違いなくその日は近づいている。