初代タイガーマスクの佐山サトル率いるストロングスタイルプロレス(SSPW)は19日、関根“シュレック”秀樹(50=ボンサイ柔術)のインタビューを公開した。21日に開催する後楽園ホール大会で日高郁人と組み、澤田敦士&政宗と対戦する。

警察官を経て柔術家としてプロのリングに上がるようになり、巌流島などで活躍。若かりし頃にプロレスラーを志した夢を諦めることが出来ず、盟友・佐藤光留の主催するハードヒットで18年7月にプロレスラーデビューも果たした。

最近ではRIZINでの活躍が知られ、ベイダーマスクを被り、入場するという“プロレスラー”としての愛と誇りをもって試合に臨む姿が話題に。エモーショナルな試合内容やマイクなどが格闘技ファン、プロレスファンの心を打ち、今のシュレックは日本人ヘビー級MMA選手で最も人気の高い選手の1人だ。

故アントニオ猪木の追悼興行「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」に「令和猪木軍」のメンバーとして出場するなどストロングスタイルの魂もその胸に秘めている。シュレックの闘いぶりは初代タイガーマスクや“過激な仕掛け人”新間寿も認めるところで、昨年12月にはストロングスタイルプロレスの頂点であるレジェンド王座にも挑戦した。惜しくもベルトを手にすることはできなかったが、本大会ではIGF出身である澤田とのヘビー級対決に注目が集まる。

▼タッグマッチ 30分1本勝負

関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)&日高郁人(ショーンキャプチャー)

VS

澤田敦士(フリー)&政宗(フリー)

-現在ストロングスタイルプロレスにほぼレギュラー参戦している。その立場になった事に関してどう思っている

関根 やっぱりフリーでやっているとレギュラー参戦させてもらえるのはすごいありがたいですね。プロレスラーの表現というものは、1回の試合で表現することもあれば1年通して戦って表現していくという事もあるので、参戦を通じての戦い方をファンに見せられるのはすごいありがたいですね。

-連続した参戦の中で日高選手とのタッグは3回目。息もあってきた

関根 息あってきてますかね?(笑い) 日高選手は僕らとは毛色が違うプロレスラーで、自分はリアルな格闘プロレス。日高さんはスタイルが異なるので、その部分でどう融合していくかという部分は課題ではありますよね。

-日高選手とお話しされて学ばれた事などありますか

関根 控室でもプロレス界の大先輩ですからいろいろ教えてもらうことたくさんありますね。プロレスラーとして競技としての格闘技とは異なり、もっとお客さんを意識したほうがいいという事は教わりました。入場であったり技を決めたあとの間だとか、説得力だったりであるだとか。やっぱり勝負の価値観が違うのでプロレスと格闘技とでは。格闘技は競技として勝敗を決するわけじゃないですか? 勝利へのベクトルが全てではあるけど、プロレスは説得力なんですよ。わけわかんないうちに勝つのではなくてお互いの根比べだったり、誰にでもわかる決着というのが一番いいわけであって。終わった後に「えっ? あいつ勝ったの?」ではいけないと思うんです。なのでお互い死力を尽くして、勝てるところで勝つんじゃない、全てを出して自分も相手もお客さんも納得して勝つ。お客さんがわからないものは勝ちではない、わかりやすい技の説得力や強さっていうものを間を通じてだったり、畳みかける攻撃も分かりづらいものだったら待ってという部分の大切さですね。

-そういう点では今回の対戦相手の政宗選手は関節技であったり打撃であったり変幻自在なファイトスタイルでやりづらい相手ではある

関根 そうですね…、自分の場合は正直言うと関節技なんていうのは僕に通じるわけがないと思ってますよ。サトシ(・ソウザ)とかクレベル(・コイケ)とか格闘技界でも柔術界でも世界と戦ってきた相手とやってきたわけで、試合でもほとんど一本とられてきてないですよ。そう考えたらとられるわけないんだけど、プロレス特有の間だったりだとか、競技だったら勝利に直線的に行くところを回り道して最終的に勝つのがプロレスだと思うんですよね。そういった部分の価値観の違いでくらっちゃう事はあるのかもしれないですね。予想がつかない攻撃で。

-政宗選手は自分の世界観で相手のカラーを染めていくタイプでもある

関根 自分としてはやっぱり日高さんに政宗は任せて、ヘビー級はヘビー級同士、澤田さんぶっつぶしたいという思いはあるけど、それってタッグじゃないので。ここが難しいところですよね。

-今、言葉にもあった澤田選手とのヘビー級のぶつかりあいがお客さんも期待しているところ。澤田選手にはどのような印象が

関根 昔IGF出てた選手で、今議員さんですか? 練習してんの? って感じですね(苦笑)。練習せずに出てきて痛い目あっても知らないよって。柔術家でしたっけ? 俺も柔道やってますからね(苦笑)。

-澤田選手は猪木イズムの継承者でもある

関根 澤田選手から闘魂を感じたことないですね、イメージも。感じたことありますか? 闘魂というよりは澤田さんに猪木さんを感じたことありますか? それははっきり言わせてもらいますよ。世間の猪木ファン、社会で戦ってるサラリーマンのほうがよっぽど闘魂背負ってると思いますよ俺は。

-そういう意味では関根選手の中にも闘魂はあると

関根 自分は猪木さんのもとではやれなかったですけど、小学校から知った闘魂を背負ってずっと人生を渡ってきましたから。機動隊の時だって、上司の分隊長とかも「元気があればなんでもできる」って普通に言って訓練やってましたからね。「道」だってそらで暗唱できますよ機動隊は。

-猪木イズムとしても負けられない、ストロングスタイルプロレスの中での重量級最強を見せるうえでも負けられない

関根 澤田さんに見せてほしいですよ意地を。自分は警察辞めて今格闘技とプロレスを専業でやってますよ。議員さんに出来るんですか?って。見せてくださいよ。

-今のストロングスタイルプロレスの中でのモチベーションは

関根 やっぱりベルト欲しいですよね。僕らからするとアントニオ猪木っていうレスラーが一番強くて、ちょうど自分が保育園の頃にアステカイザーっていう特撮物が新日本プロレス全面協力であって、それでプロレスを知ってその後タイガーマスクのブームが来て。ほんとにあの頃のストロングスタイルがあるのがこの団体なので、自分の人生の答え合わせみたいなものがこの団体にあるので、ベルトは欲しいですね。その部分で真霜(拳號)さんに負けて、間下さんに負けて、やっぱり積んできた重さを感じましたから。単純に格闘技でやったら俺のほうが強いけど、プロレスはそうじゃないです、積んできたものですよね。真霜さんにしたってそうですよ。積んできたものの差でギリギリじゃなく負けたと思ってます。多分何回やっても負けると思いますあの時点では。だから次は負けないように自分は積んでいかないといけないなと、その階段を下まで落ちたところですよ今は。

-今回の試合はその一歩目として踏み台になってもらうと

関根 踏み台というか次のいつくるかわからないタイトルマッチに向けて、この土台部分をおろそかにしてはいけないので。澤田選手をしっかり丁寧につぶしていかないといけないなって今は思いますね。踏み台じゃないですね、今、同じ位置にいるから対戦が組まれたわけで、団体からしたら「今、澤田とお前は同じ位置なんだよ」って事で第2試合で組まれてるわけですから。ほんとにフラットな立場で組まれているので、しっかり丁寧につぶして土台にします。

-最近のストロングスタイルプロレスは女子の試合が多く、先日関根選手が挑戦したタイトルマッチがセミで女子の試合がメインになることもあった。そこに関して思うところは

関根 女子だ、男子だと今そういう事言っちゃいけないですね。これは単純に男子も女子も同じなんだから、タイトルマッチを行うってなった時に格で、タイガークイーンは自分たちと同じかもしれないけどやっぱりジャガー(横田)さんたちがどう考えたって格上ですから。これはしょうがないと思います。自分はちゃんと見れなかったですけど、いろんなマスコミやファンの話からしても僕らのセミ、ストロングのタイトルマッチよりそれ以上のものを見せてくれたと思うんで、悔しいとかそういうのじゃなくてどう思うかじゃなくて越えられる試合をしていかなきゃいけないなって。女子と男子じゃないですね。これは逆に言ったら僕らがメインでやった時に下手をすると『セミが良かったけどメインはダメだった』ってなった時にどえらい事になるんで。それはジャガーさんたちもプレッシャーになったと思いますよ。実際僕らも前回いい試合したから今回男子がメインになってるんで、やっぱりお互い意地を持って、男だ女だというのはナンセンスなのかもしれないけど、やっぱり違うタイトルなんだからそこでもライバル関係あってもいいのかなと。今回男子がメインだったから女子が『次は私達がメインをとる』ってすごくいい効果が生まれてるんじゃないかな。実際ストロングスタイルプロレスのお客さんは選手の目から見ても増えてるし、熱が違うと思います。自分がスーパーとやった時のシングルもそうだし、真霜さんの時もそうですよ。それよりも間下くんとやったタイトルマッチの方がすごい声援が聞こえたしお客さんの熱が戦っている自分たちにも伝わってきたし。これは本当に女子もあわせて一生懸命やってきた結果なのかなと思いますよね

-関根選手から見て今のストロングスタイルプロレスの魅力は

関根 思いっきり殴ってもいい! 間下くんにしろスーパーにしろ、船木さんもそうですよ。俺を思いっきりぶん殴ってますからね、掌底で。俺だって、間下に渾身(こんしん)のジャーマンでしたよ。あんな渾身のジャーマンなかなかやらないですからね(笑い)。やつらがやってくるから俺もやっていいやってなるし、船木さんの掌底もテンプルに思いっきり入ってますからね。景色が回りましたから。

-よく意識を保った

関根 しょうがないですよ。船木さんの全てを受け止めるって言ってしまったので。

-その中で改めて今回の試合で見せていきたいものは

関根 俺はストロングでもそうですし、他でもそうですし、毎日厳しい練習もしてるし、試合もRIZINでもシュートボクシングでもきつい試合してるし、そこの違いを澤田選手に見せていきたいですね。お客さんにも。戦ってるんだと。お前戦ってるのか?ちゃんと闘魂背負ってんのか?っていうのをね、逆に問うていく戦いですね。試合の中で彼の闘魂がよみがえればいいのかなって。どうも見えないんでね彼には闘魂が。弟子としていたことは間違いないかもしれないけど、弟子としての経歴があるだけで今、闘魂背負ってるのかい? 他にもいるじゃないですか、鈴木秀樹、藤田和之、みんな背負ってるじゃないですか。お前背負ってるのかい? 俺が査定してやるよ。

◆3月21日後楽園ホール大会対戦カード◆

▼Wメインイベント・レジェンド選手権試合60分一本勝負

第17代王者・間下隼人(ストロングスタイルプロレス)

VS

挑戦者・アレクサンダー大塚(AODC)

▼Wメインイベント・女子タッグ王座戦60分一本勝負

王者組・ジャガー横田(CRYSIS/ワールド女子プロレス・ディアナ)&藪下めぐみ(CRYSIS/フリー)

VS

挑戦者組ダーク・タイガー(DarkerZ)&ダーク・チーター(DarkerZ)

▼第4試合6人タッグマッチ30分一本勝負

スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)&船木誠勝(フリー)&ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)

VS

ダーク・ウルフ(DarkerZ)&村上和成(フリー)&関本大介(大日本プロレス)

▼第3試合タッグマッチ30分一本勝負

タイガー・クイーン(ストロングスタイルプロレス)&雪妃真矢(フリー)

VS

Sareee(フリー)&本間多恵(フリー)

▼第2試合タッグマッチ30分一本勝負

関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)&日高郁人(ショーンキャプチャー)

VS

澤田敦士(無所属)&政宗(フリー)

▼第1試合シングルマッチ30分一本勝負

野崎渚(フリー)

VS

柊くるみ(プロミネンス)