ボクシング興行「3150FIGHT vol.8」(31日、名古屋国際会議場)の前日計量が30日、名古屋市内で行われた。

元2階級制覇王者でIBF世界フェザー級5位の亀田和毅(32=TMK)は、フェザー級ノンタイトル10回戦でケビン・ビジャヌエバ(23=メキシコ)と対戦。ともにリミット57・1キロで計量をクリアした。

当初の相手は昨年10月に判定1-2の僅差で敗れたIBF同級2位レラト・ドラミニ(29=南アフリカ)だった。和毅は「負ければ引退」と強い決意を持って再戦に向けて備えてきた。しかし、ドラミニはIBFが指示した挑戦者決定戦を優先してドタキャン。試合の約2週間前に対戦相手が差し替わった。

以後、初めて公の場に現れた和毅は「すごい悔しいですよ」と感情をもらした。「前回(の試合が)終わってドラミニにリベンジする。その思いでやってきた」と話す一方で、「今までもメキシコで直前に相手が変わることはあったし全然大丈夫。やってきたことを出せば次につながる」と気丈に話した。

前回試合後は父の史郎氏をトレーナーに、接近戦で打ち合うファイタースタイルを作り上げてきた。「時間は短かったけど4カ月、しっかりおやじとできた。明日はおやじのスタイルで臨みたい」と新たな姿を披露する意気込みを示した。

ただ、ピリピリした緊張感も隠せない。「ドラミニ戦は『負けたら引退』を公言したが今回はどうなのか?」という記者の質問に「聞きたいんでしょ? 負けたらどうするとか。じゃあ勝ったらどうするんですか? 以上!」。試合に関しても「明日見てください、明日」と珍しくイラついた表情を見せた。

トラブルが続いた。それを払拭する晴れやかな試合を見せたい。「おやじのスタイル」で生まれ変わった“シン和毅”が始動する。【実藤健一】