セミファイナルのチャンピオン・カーニバルAブロック公式戦30分1本勝負で波乱が起きた。全日本プロレスに入団したばかりの“身長2メートル男”綾部蓮(27)が、優勝候補で“恩人”でもある宮原健斗(35)から大金星を挙げた。

綾部は場外で連続して宮原の頭突きを浴び、一時は意識がもうろうとしてリングアウト負け寸前だった。しかし和田京平レフェリーが綾部の頬をペシペシとたたき、リング内へと押し戻す“親心”を見せると、綾部は復活した。

宮原のフロントキックやランニング・ニーを何度も耐えると、12分17秒、デスルーレット(ブレーンバスターの形で持ち上げ、回転しながら顔面からマットにたたきつける技)で3カウントを奪取。チャンピオン・カーニバル初日にうれしい白星をもぎ取った。

自分を変えるために3月30日の大田区大会で、選手会長の宮原に直訴して全日本に入団した綾部は髪の毛を紫色に染め、コスチュームも変更。試合後は「チャンピオン・カーニバル開幕戦、宮原健斗から3カウント文句なし、取ったぞ!」と叫んだ。

綾部は続けて「先月の大田区で入団のきっかけになったのは間違いなく宮原健斗。ただその時も言ったように、ここから上がるのは自分しだいなんで。新しい全日本プロレスの綾部蓮を見せられたんじゃないかと。最高のスタートを切ったチャンピオン・カーニバル2024、このまま綾部蓮に注目して、ずっと最後まで見ててください。優勝だ、この野郎!」と意気込んだ。

一方、宮原も「おい、何年連続の負けスタートだよ。開幕戦は俺に神様は味方してくれねえな。綾部! 俺が入団のきっかけを与え、スター待遇のきっかけも与えてしまった。まあいい、今日の負けは認めよう。さあこの次だ。俺は“新時代”をたたきつぶす使命がある。そして日本全国のプロレスファンが、この宮原健斗の再浮上を今か今かと待ってるんだ。こっから全勝や。クソっ」と残り全勝を宣言した。