日本ライトフライ級王者・井上尚弥(20=大橋)の弟拓真(17=綾瀬西3年)が12日、横浜市の大橋ジムでプロ転向を表明した。高校2冠、11年の世界ジュニア選手権16強の実力者は「世界王者になって、誰がみても面白いと思われるような試合がしたい」と目を輝かせた。

 今月21日に東京・後楽園ホールで公開プロテストに臨むが、スパーリングはWBA世界フライ級6位村中優(28=フラッシュ赤羽)が相手。受験とはいえ兄と同様、世界ランカーと拳を交えるが「みんながわっと思うようなスパーがしたい」と強気。兄尚弥も「スパーリングしながら危ないと感じる。自分がデビューした時よりもレベルは高い」と太鼓判を押した。

 プロテストに合格すれば、12月にプロデビュー戦が予定される。対戦相手について大橋秀行会長(48)は「世界ランカーとまでは言わないが、名のある選手にしたい。強い選手との対戦が本人の希望」と日本ランカー以上となることを示唆。兄と同じくライトフライ級となる拓真は「強い相手とやれば実力が分かる。ファイターよりのタイプになりたい」とのボクサー像を掲げていた。【藤中栄二】

 ◆井上拓真(いのうえ・たくま)1995年(平7)12月26日、神奈川・座間市生まれ。兄尚弥の影響を受け、小学1年から本格的にボクシングを始める。アマ戦績は52勝(14RSC)5敗。162センチの右ボクサーファイター。