序二段の優勝争いは、7戦全勝同士による千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

 6戦全勝同士の対戦で舛乃山(千賀ノ浦)が前田に勝利。もう1人の6戦全勝だった炎鵬(宮城野)も三段目の将豊竜(時津風)に勝ち、この2人が優勝決定戦に進んだ。

 前頭4枚目まで経験した舛乃山は、右膝の重傷からの復活を目指す。十両時代の14年8月に1回目、翌15年5月に2度目の手術をした。それでも「痛みがとれなかった」と昨年11月の九州場所後に、3度目の手術に踏み切った。今年は初、春場所と全休し、夏場所途中から本場所の土俵に復帰。今場所は心機一転、06年名古屋場所の初土俵からのしこ名「舛ノ山」を「舛乃山」に改名して臨んでいる。10年九州場所でともに新十両昇進を果たした大関高安(田子ノ浦)を「いい刺激にしたい。優勝決定戦は自分のゴールでなく、上に(関取に)上がるのが目標。一喜一憂しないでやりたい」と話した。

 一方の炎鵬は、引退後に部屋を持つ意向があるとされる、横綱白鵬の内弟子として入門し、5月の夏場所で序ノ口デビュー。7戦全勝し、今場所も含め土つかずの14連勝をマークした。「チャレンジャーの気持ちでぶつかるだけ。お客さんも多いと思うので、お客さんが喜ぶような相撲を取りたい」と優勝決定戦に思いをはせた。大けがからの再起を目指し押し相撲を貫く177キロの舛乃山と、95キロの業師・炎鵬。千秋楽に楽しみな取組が出来た。