日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)が初場所初日の14日、東京都墨田区の両国国技館で本場所総見を行い、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)ら各委員が升席で幕内の取組などを観戦した。

 北村委員長は昨年12月、荒々しい張り手などを多用する横綱白鵬の取り口に対し、横綱らしくないと異例の批判を行った。初日の白鵬は粗暴な手を使わずに勝利。同委員長は「横審のみんなは『張り手が出るだろう』と注目していた。出なくてほっとした。やっぱりちょっと気にしているのかな。(今後も)真っ正面から相撲を取ってほしい」と目を細めながら注文を付けた。

 4場所連続休場から再起を期す2人の横綱は明暗。北村委員長は白星発進の鶴竜に「いい相撲だった。元気だ」と評価し、敗れた稀勢の里について「先場所に比べると、力が戻っているのではと思わせる相撲だった」と立て直しに期待した。