西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が初優勝に王手をかけた。身長は同じ192センチだが、体重215キロが幕内最重量の西前頭1枚目逸ノ城を得意の右四つ同士のがっぷりから、力ずくで寄り切った。「右を引いて、左(上手)も取れたんで、よし、いこうと思った」。12勝1敗とした一番を興奮気味に振り返る

 両国国技館から徒歩約10分の部屋まで歩いて帰る途中、結びの一番で横綱鶴竜が敗れた。その時点で後続と2差になった。14日目は松鳳山戦に勝てば、3敗同士の結びの一番、鶴竜-高安戦を待たずに優勝が決まることに…。「今から考えたら、どきどきするから、明日考えるよ」。06年夏場所の序ノ口デビューから所要70場所目。歓喜の瞬間は、自分の白星で決める。