序ノ口は、6番相撲を終えただ1人、全勝だった東11枚目の周志(しゅうじ、22=木瀬)が、序二段で6戦全勝だった海士錦(27=八角)を会心の相撲で押し出して、3度目の各段優勝を決めた。

 「自分には意地というか、経験があるので、落ち着いていこうと思ってました。冷静に手が伸びていました」と平常心を崩さなかった。

 三段目だった3年前のこの場所で、右膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂し6場所連続休場。番付を序ノ口まで落とした後、序ノ口と序二段で連続優勝し番付を再上昇。昨年春場所では初めて番付を幕下にまで上げた。だが10月に、今度は腰のヘルニアを手術し、3場所連続全休。復帰場所での優勝となった。まだ稽古では、相撲を取れない状態ながら、経験値でカバー。優勝の味は「うれしいけど。番付を上げるのが目標ですから」と、控えめな笑みで実感をかみしめた。