大相撲名古屋場所(7月8日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)の番付が25日、発表され、新大関栃ノ心(30=春日野)が愛知・春日井市内の同部屋宿舎で会見。「優勝するつもりでやりたい」と意気込みを語った。新入幕から所要60場所の大関昇進は2代目増位山に並ぶ史上1位のスロー出世。遅咲きの怪力大関が、平成以降で02年初場所の栃東、06年夏場所の白鵬に続く12年ぶり3人目の“新大関優勝”に挑む。

 しこ名の大きくなった新番付を手に「うれしい。最高」と笑った栃ノ心の顔が、引き締まった。大関昇進こそ決めたが、優勝を次点で逃した夏場所の感想を聞かれると「良かったけど、残念。優勝できませんでした。今場所も優勝するつもりで、頑張りたいです」と悔しさを漂わせた。

 大関の重みは承知の上だ。会見に同席した師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が「上を目指す大関であって欲しい。常に優勝に絡まなきゃいけない」と話すのを聞き入った。賜杯争いという義務。「あんまりそういうの考えずにね。プレッシャーもありますけど、集中して気合入れてやりたい」と控えめなのは、その意識の裏返しだろう。

 12年以上の相撲人生で、名古屋は思い出のつまった場所だ。10年は新小結、16年は新関脇で臨んだ。一方、13年は5日目の徳勝龍戦で右膝前十字及び、内側側副靱帯(じんたい)を断裂。力士生命の危機に立たされた。「いい思い出も、ケガした時もある。今場所はいい思いがしたい」。夏場所で痛めた右手首も「大丈夫」を繰り返した。

 故郷ジョージアから再来日した12日は165キロまで落ちた体重も現在170キロまで戻った。「あと2、3キロかな」。自分の時間をほぼ持てず、多忙を極めた時期を終え、戦闘態勢に入ってきた。【加藤裕一】