大相撲の前頭豊山(25=時津風)が26日、都内の部屋で会見し、結婚したことを発表した。相手は三重県紀宝町出身で、名古屋市在住の会社員・真梨絵さん(31=旧姓一村)。

名古屋場所千秋楽から5日後の7月26日に、名古屋市の中区役所に婚姻届を提出したと明かした。16年、東農大から入門した年の名古屋場所で知人を介して食事をした際に知り合い「僕が完全に一目ぼれしました。相撲でも見せたことないほど積極的。一気に寄り切りました」(豊山)と、猛アプローチの末、ほどなく交際が始まり、約3年を経て、再入幕を果たしたこの日、発表した。

会見に同席した真梨絵さんは「すごく積極的な方。一直線に来てくださった」と、誠実な人柄にひかれたと語った。プロポーズは、真梨絵さんが大ヒットしたドラマ「花より男子」の大ファンで、そのロケ地として有名な東京・恵比寿ガーデンプレイスで「結婚しよう」と、豊山が指輪を渡し、真梨絵さんが「よろしくお願いします」と受けたという。

豊山を「花より男子」の出演者に例えるとしたら、という質問が出ると、豊山は「こんな人『F4』にいませんから。強いて言うなら5人目」と、主要な出演者のイケメン俳優4人と比較しないでほしいと懇願。ところが真梨絵さんは「私にとっては『道明寺』です!」と、同ドラマで主演を務めた、人気アイドルグループ嵐の松本潤の役名を挙げたが、少しいたずらっぽく笑っていた。

婚約指輪は高級ブランドのハリーウィンストンの2カラットのもので、数百万円から1000万円前後と推定される。挙式、披露宴は未定だが、現時点では来年2月などを候補に調整に入るという。ファッション関連事業の会社に勤める真梨絵さんは、今後も仕事を続け、来年2月に東京の本社に転勤し、その後に2人で生活を続ける予定だ。

同世代の中でも早い結婚となったが「僕は所帯を持った方が力が出るタイプだと思う。落ち込んでいる時に励ましてもらってきた」と、6歳上の姉さん女房の内助の功に期待する。同期の前頭朝乃山にも、すでに報告しているが昨年の名古屋場所では、その朝乃山も含めて幕内で優勝争いも経験している。「また上位と当たるところに戻ることができるように、三役も目指していきたい。幕内に戻ったけど、もう後ろはない。ここからは下を見ないで、前だけを見て、どんどん上がっていきたい」。ライバルでもある朝乃山の5月夏場所の初優勝にも刺激を受けた。知り合うまで、ほとんど相撲を見たこともなかったという真梨絵さんは「相撲の頑張り方は、彼にしか分からないので、これからも落ち込んでいれば励まします。本人がやる気になるようにしたいです」と、二人三脚で支えていく決意を語っていた。

◆豊山亮太(ゆたかやま・りょうた)本名・小柳亮太(おやなぎ・りょうた)。1993年(平5)9月22日生まれ、新潟市出身。金沢学院東から東農大に進み、個人タイトル5つを獲得して三段目付け出しの資格を取得。時津風部屋に入門し、16年春場所初土俵。17年夏場所新入幕で豊山に改名。18年名古屋場所で初の三賞となる敢闘賞。得意は突き、押し。通算147勝134敗2休。185センチ、175キロ。