大相撲冬巡業を襲っている、インフルエンザの猛威が止まらない。10日は長崎・諫早市で行われたが、関取衆だけでも明生ら8人が離脱。インフルエンザで1度離脱した十両栃煌山が再合流したものの、巡業部副部長の花籠親方(元関脇太寿山)や若い衆らを合わせて約30人が感染し、途中休場した。この日、抗インフルエンザウイルス薬が、全参加者に配布された。

この日は稽古熱心な前頭輝、錦木らが稽古土俵に立てないなど、他にも体調不良を訴える力士はいた。横綱鶴竜も8日の鹿児島市での巡業後に風邪の症状で、9日午前に同市の病院で診察。インフルエンザではなかったが、万全ではない。力士会会長の鶴竜は「これほどの人数になるとは。来年以降の冬巡業の対策を考えてほしい。移動のバスが暑いのも、大栄翔の溶連菌も含めて菌が広がる要因では」と、改善を求めた。

今回の巡業は、初日から故障で9人もの休場者がいた。さらに途中休場で、関取全70人のうち現在は22人が休場。両横綱や大関貴景勝らが踏ん張るが、十両土俵入りは東西各9人の少なさだ。巡業部の入間川親方(元関脇栃司)は「調子が悪ければすぐに病院に行かせる」という。15日の最終日まで巡業は残り3日間。我慢が続く。【高田文太】